業務改善と標準化を同時に実現:MS 365業務システム開発

【事例】業務改善/業務標準化プロジェクトのやり方(DMAICの活用)

    
【事例】業務標準化プロジェクトのやり方(DMAICの活用)
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【事例】業務改善/業務標準化プロジェクトのやり方(DMAICの活用)

業務標準化プロジェクトのやり方を事例と共に具体的に書いています。リーンシックスシグマのDMAICという業務改善プロジェクトのフレームワークを実行すれば業務改善、業務標準化ができるのです。その手順をステップバイステップでお見せします。

(動画時間:9:21)

業務標準化はリーンシグマのDMAICのフレームワークが最適

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。

今日は僕の大好きな業務改善についての動画リクエストを頂きました。

標準化プロジェクト動画リクエスト

「業務標準化の大まかなフローと手法をまとめた動画を配信して頂けませんでしょうか。」

ショウジさんリクエストありがとうございました。

業務標準化のやり方を聞かれていますが、
組織での業務改善には必ず業務標準化が含まれます。
しかし、ただ「全員同じやり方にすれば良い」って言うのではなく、
ムダを削除した一番効率の良い「全体最適化した標準化」であります。

最近あまり話をしていませんでしたが
これは僕の専門のリーンシグマ手法そのものです。
その中にDMAICと言う業務改善プロジェクトのフレームワークがあります。
そのフレームワークを実行すれば業務改善、業務標準化ができるのです。

⇒「【DMAICとは:定義、測定、分析、改善、定着】業務フロー改善プロジェクトの必勝パターン」

DMAICとは英語の頭文字を並べたもので、
定義段階、測定段階、分析段階、改善段階、定着段階のステップを表します。

今日は簡単にショウジさんの事例をこのDMAICでやってみます。

DMAIC =

  1. Define:   定義段階
  2. Measure:測定段階
  3. Analyze: 分析段階
  4. Improve:改善段階
  5. Control:  定着段階

標準化プロジェクトを定義する事例(プロジェクト憲章)

まず定義段階ですが、これはプロジェクトを定義し、
英語の5W1Hつまり、
「いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように」
プロジェクトをするかについて明確化する事です。

⇒「プロジェクトをしっかり定義する【DMAIC:定義段階】(リーンシックスシグマ)」

その第一歩は「プロジェクト憲章」を書きます。
ショウジさんとはその後もやり取りしてもう少し状況を聞き、
それに基づいてプロジェクト憲章を書いてみました。
これはプロジェクト憲章のエクセルテンプレートを使っています。
⇒「プロジェクト憲章」エクセルテンプレをダウンロード

プロジェクト憲章の記入例

ここで一番重要な項目は「背景と状況」と「プロジェクト内容」です。
今回のような標準化プロジェクトでは
プロジェクト目標や数値目標を設定するのは難しいですので、
最初は細かく設定せずにこのプロジェクトの完了日くらいで良いです。

このプロジェクト憲章は大事な資料で、
今後プロジェクトを進めて行く時に何度も振り返ります。
例えば次に何をするか考える時やプロジェクトに行き詰った時、
またはプロジェクトの完了前に全ての課題が達成されたかを確認する時です。

標準化プロジェクトにおけるWBS(作業分解図)の作成事例

このプロジェクト憲章によってなぜ(Why)と何(What)を明確にしました。
残りの5W1Hを書くのに今度はWBS、作業分解図を使います。

これも今回の事例でやってみました。

WBS記入例

これもWBSのエクセルテンプレートを使っています。
このテンプレートは有料ですが、
これも僕のサイトからダウンロードできます。
⇒「WBSとガントチャート」エクセルテンプレートのダウンロードページへ」

このWBSはプロジェクトでやる大きな枠のマイルストーンを出して、
各マイルストーンで作り出す成果物、
そしてその成果物を作成するためのタスクを考える便利なツールです。

これを作成する事で誰がいつ何をするかが明確になります。

最初はマイルストーンと成果物まで書ければ良いです。
特にプロジェクトの後半ははっきりしない事もありますので
できる範囲で書いて下さい。

前述しましたが、業務改善プロジェクトの場合、
DMAICのフレームワークを使えるので今回みたいに
何をすれば良いかが見えてきます。

それを大まかにご説明しましょう。

測定段階でKGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を設定する

今回分かり易いように各マイルストーンの前に
DMAICの何段階なのかを書いておきました。

実は先ほどの5W1HのWhereの「どこ?」がまだ不明でしたので、
最初に「改善対象業務を明確化する」のです。

今回はある程度決まっているみたいなので簡単に書きましたが、
プロジェクトによってはその選定から分析を沢山してやる時もあります。

定義段階の次は測定段階で、改善の達成度合いを
数値的にどう測定するのかを考えるのです。

またその測定方法なども確認します。
⇒「CTQとは?VOCからCTQへの変換が大事!【DMAIC:測定段階】(リーンシックスシグマ)」

今回はここに「対象業務のKGIとKPIを設定する」としました。
これは大事な事なので僕は毎回入れるようにしています。

「KGI」はKey Goal Indicatorで重要目標達成指標です。
これは対象業務に関係する一番重要な、会社としての目標基準は何かという事です。
今回の事例はホテルのレベニューマネジメント業務なので、
売上や空室率などだと思います。

もう一つの「KPI」は有名ですね。
Key Performance Indicator、重要業績評価指標で、
これは各従業員の目標基準となります。

なぜか「KGI」より「KPI」の方が有名なのですが、
本来「KGI」がなければ「KPI」は考えられません。
それは「KGI」を達成させるための従業員の活動を
「KPI」にするのが必須だからです。

ですから「KPI」は向上したのに会社の目標は
向上しなかったみたいな「KPI」は立ててはいけないのです。

今回の事例の細かい業務がよく分かりませんが、
例えば担当者の広告キャンペーンの実施回数とか、
アポ取りの数などです。
業務改善プロジェクトで、
この「KPI」を常に意識して新業務フローを作る事が重要なのです。

分析段階でベストプラクティスを集め、全体最適化した新フローを設計する

次のマイルストーンは分析段階です。
一般的に分析段階では今抱えている問題を明確にして、
その根本原因を見つけて解決策を導くのです。

⇒「3ステップ根本原因分析(RCA)をする段階【DMAIC: 分析段階】(リーンシックスシグマ)」

今回の事例では「社内の誰が一番上手くやっているかを見つけ、
彼/彼女らのやり方を学ぶ」としました。
よくできる担当者を2、3人選定して、
彼らの使っている資料やファイルを提出してもらい、
インタビューをして彼らからベストプラクティスを学びます。
また社外にベストプラクティスがあればそれらも検討するのです。

社内で同じ仕事をしていてもだめな人と上手くやっている人が必ずいます。
マニュアルがあったとしてもこれは必ず起きるのです。
だからマニュアルも一度作ったらお終いではなく、
常に改訂していく必要がある所以です。
もしマニュアル、つまり標準が今ないのでしたらなお更でしょう。

ですから、まずその上手くやっている人から学ぶ事はとても大切です。
会社の規模にもよりますが、少なくても2,3人から聞きましょう。
僕はあまりやりませんが、できない人にインタビューするのもありだと思います。
できない人が陥り易い事などが発見できるかもしれません。

やっぱりできる人は仕事の段取りが良いので、
自分で工夫した書類やファイルを作っています。
その資料を後で使いますのでこの時に提出してもらいましょう。

次のマイルストーンは
「彼らの意見を総括して全体最適化した新フローを設計する」です。
まずたたき台として彼らの意見を総括した現在の業務フローの
バリューストリームマップを作ります。
これは物と情報の流れだけで業務フローを描いたものです。
⇒「フローチャートの前にまず物と情報の流れ図(VSM)を書こう【トヨタ生産方式】」

この作業をしている時に、人によって言っている事が違っていたり、
図にした時に不明点が出てくる事が多々あります。
そういう所から必ず問題が出ていますので
すごく注意する必要がありますし、改善のチャンスでもあります。

リーンシグマではこの全体最適化した新フローを設計する為の
ツールや手法が沢山あります。
この新業務フローを設計して、同時にそのフロー内で使う
書類やファイルも一番効果的なものに改善します。

⇒「DMAIC: 改善段階の4ステップ – 前編【プロジェクトの前半レビュー】(リーンシックスシグマ)」

業務標準化を確実にするのにその標準を実施するしかできない業務システムを作る

従来の改善ではここでマニュアルを作って担当者に研修して、
この標準化された新業務フローを実施してもらいますが、
これだけだとやっぱり人によって偏りが出てきたり、
時間が経って人が変わると作業のムラが大きくなります。

一番効果的なのは標準化されたやり方以外で業務できない環境にする事です。
そんな事ができるのでしょうか?
できます、それはその業務の業務システムを作る事なのです。
⇒「エクセルとBIツールの違い。中小企業ではエクセル+SharePointが最強な理由」

エクセル+SharePoint+PowerAppsの連携

マイクロソフト365の出現で今お使いのエクセルや他のアプリケーションを
Power AutomateとVBAでつなげて飛躍的な自動化をし、
業務データはクラウドに保存してデータの一元化と二次利用ができ、
また担当者のリモートワークもできるようになるのです。

また、今まで紙とペンでやっていた業務もPowerAppsで携帯アプリを
作る事によって飛躍的な改善をしながらデータの二次利用ができます。

そして同時に経営ダッシュボードを作る事もできますので、
経営者も現場の状況を把握し、早い経営判断を下す事ができるので、
会社全体の高速なPDCAサイクルが回せるのです。

しかもマイクロソフト365だけで完結しますので、
セキュリティが強靭で、低価格で短期開発する事ができます。

この様な業務改善を皆さんも挑戦してみて下さい。
僕は日本でのコンサル活動も始めましたので、
今日ご紹介したような業務改善プロジェクトを
直接お手伝いする事もできます。ご連絡下さい。
⇒「業務改善コンサルティングご連絡先」

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