改善プロジェクト事例:業務改善と経営ダッシュボード設置プロジェクト

この記事では実際に僕が行った業務改善と経営ダッシュボードの設置を一緒にやったプロジェクトの事例をご紹介します。テクノロジーによる海外からのコンサルの仕方やリーンシグマのDMAICをどうこの改善プロジェクトで使ったかを実例で説明しています。

改善プロジェクト事例:業務改善と経営ダッシュボード設置プロジェクト

(動画時間:8:17)

<<「業務改善と経営ダッシュボードを同時に設置するご提案」のPDF資料のダウンロード>>

 

今回のプロジェクトの定義段階

 

こんにちは、リーンシグマブラックベルトのマイク根上です。前回の動画で、業務改善をする時に経営ダッシュボードも一緒に作るご提案をしました。⇒「業務改善をする時に経営ダッシュボードも一緒に作りましょう!」

 

それをまとめた資料を作ってくれと言うリクエストを頂いたのでこのPDFファイルを作りました。もしご興味のある方はこちらからダウンロードできます。

 

今日はそれをどう実践するのかの話をしたいと思います。ちょうど最近一つのプロジェクトを完了しましたので、それをケーススタディとしてご紹介します。

 

今回のクライアントさんは東京都内に二店舗高級日本料理店を経営されているF社さんです。もうすでに課題を具体的に把握されていて最適化が必要な項目としてメールを頂きました。 それを要約したのがこれです。

 

最適化が必要な項目

 

  1. 店舗から事務所への伝票発送の最適化。
  2. 仕入管理表の最適化。
  3. 仕入の原価情報の全社員共有プロセス。
  4. 顧客管理のプロセス最適化、という事です。

 

改善プロジェクトのフレームワークであるDMAICの最初の段階の定義段階ではこのプロジェクトを定義するのにプロジェクト憲章を書きますが、今回はクライアントさんの方で詳しい要望書が来ましたのでそれで十分でした。

 

テクノロジーによる遠隔での業務改善

 

僕は米国東海岸に住んでいまして、よく、時差も13時間ある違う国から、どうやってコンサルできるのですか、と聞かれますが、最近はスカイプで顔を見ながらの会議や画面共有も簡単にできます。

 

ITの力は本当にすごくて、例えばPowerAppsで作ったアプリを皆さんのご自分の携帯で見て試してもらう事もとっても簡単です。

 

また、話しながらちょっと変更したいとするじゃないですか。アメリカにいる僕がその場で変更して、「今変更したのでアプリをリフレッシュして見て下さい。」と言ってリフレッシュしたら瞬時に僕の変更点が地球の裏側でも反映されるのです。このテクノロジーのすごさには本当に感動します。

 

業務改善動画とエクセルテンプレートによる、習ってすぐに実践手法

 

話をプロジェクトに戻して、プロジェクトを定義する時に対象業務フローを詳しく知る必要があります。スカイプで説明を受けますが、やはり不十分で、そこでバリューストリームマップ(物と情報の流れ図)をクライアントさんに書いてもらいます。

 

僕は今まで140近い改善手法の動画(人気動画一覧ページ)と30個以上のエクセルテンプレート(ダウンロードページ)を作ってきました。ノウハウとしては結構な量になり、改善プロジェクトを行うのに沢山の問題の解決策が揃っています。

 

ですので、その都度必要な動画のリンクを送って、その動画を見てテンプレートを使ってもらうのです。

 

今回もそうやって、バリューストリームマップを作ってもらったのがこれです(下記参照)。よくできてますよね。説明動画とテンプレートがあれば、思った以上に簡単に必要な成果物ができてしまいます。

 

最初のVSM

 

これをたたき台に僕が必要な分析をしたり、不明な部分を黄色の箱で質問しているのがこれです。

 

VSMでのやり取り

 

この様なやり取りをしていき、新しい業務フローのイメージを作っていきます。

 

新業務フローのイメージのVSM

 

細かい計画や設計作りより、スピードと改善を重視する「アジャイル開発手法」

 

プロジェクト憲章と現状のバリューストリームマップがあれば作業分解図、WBSテンプレートを使って今後のプロジェクトのスケジュールを立てます。

 

下図が今回のWBSで、プロジェクトの骨組みになります。このテンプレートでマイルストーン、成果物、タスクまで書き込んでいけますが、各タスクまで書くとWBSの完成までにかなり時間が掛かりますので、最初はマイルストーンとその成果物だけあれば十分です。

 

WBSによるプロジェクトスケジュール

 

その代わりに、「クライアントに試してもらいアジャイル改善」と言う成果物を何度も入れてあります。

 

タスクまで細かく書いてもプロジェクトが進むうちに変わってきますし、顧客ニーズも後で変わるかもしれません。

 

そうではなく、スピードと変化を受け入れる事を大事にして、最初の計画と設計はほどほどにして、とにかく成果物を作って、クライアントに見てもらいフィードバックによる改善をすると、小さいPDCAサイクルを沢山回す事で過不足ない、クライアントが本当に欲しているものを作るのが「アジャイル改善」なのです。

 

以前「アジャイル開発手法」についての動画を作りましたので、まだの方は次のリンクからご覧になって下さい。⇒「アジャイル開発とウォーターフォール開発の本質的な違いは何?【アジャイルソフトウェア開発宣言】」

 

さっきのWBSがプロジェクトの羅針盤になります。そして進捗度を記録したり、クライアントからフィードバックをもらってこのWBSを何度も更新した方が良いのです。変更を恐れない精神、それがアジャイル開発手法なのです。

 

リーンシグマのDMAICのプロジェクトにおける実践例

 

次にWBSの内容を書くコツを話しまましょう。業務改善プロジェクトの場合はリーンシグマのDMAICをベースにした型があります。

 

DMAICは「定義段階、測定段階、分析段階、改善段階、定着段階」の英語の頭文字を並べた言葉です。⇒「【DMAICとは:定義、測定、分析、改善、定着】業務フロー改善プロジェクトの必勝パターン」

 

DMAICをベースにした業務改善の手順

 

最初はDefineの定義段階です。もうすでに説明しましたが、プロジェクトを定義し、現在の対象業務のバリューストリームマップとWBSを作成します。

 

次がMeasureの測定段階で、これは前回の動画で詳しく話しましたが、対象業務のKGIやKPIを明確にします。今回の飲食店のプロジェクトでは原価率と顧客のリピート率でした。

 

次がAnalyzeの分析段階です。この段階では現状の問題の根本原因を分析し、それを解決する新フローの設計をします。今回、それをしたのがこれになり、

 

新業務フローの概念図

 

ここでは利害関係者の役割も分かり易いフローチャートを使っています。そしてその新フローへの移行計画の作成もこの段階でするのです。

 

次がImproveの改善段階で、ここでは分析段階で作った新フローへの移行計画を実行します。しかし、新しい業務フローを設計しても、それを人の運営だけに頼っていると改善効果が高まりません。

 

やはりITを使ってポカヨケをしたり、業務システム化をして、自然と全員が新業務フローをやる仕組みを作る事が大事です。それを携帯アプリやIoTで実現できるし、エクセルとSharePointの連携を使えば安価で部分的な業務システムを作る事もできます。

 

そして最後がControlの定着段階です。ここでは作業者用のSOPの作成と前もって将来の新人への引継ぎの仕方も計画をしておく事により新業務フローの確実な定着を果たします。

 

今回のプロジェクトでは作業するエクセルファイルにしっかりと使用手順を載せて現在の作業者も将来の作業者も作業レベルを高く維持できるようにしました。

 

定着段階で作ったSOP

 

最初の課題をどう解決したか?

 

今回のプロジェクトで最初の課題をどう解決したか見てみましょう。 最初の二つはPowerAppsで伝票画像転送アプリを作ってその伝票画像をクラウド保存し、本部で瞬時に閲覧できるシステムをエクセルとSharePointの連携で作りました。

 

業務改善プロジェクト 改善策1

 

次の「仕入原価情報の共有」は必要なデータは全てクラウドにありますので携帯アプリやエクセルで、いつでも最新の原価率を閲覧できます。

 

業務改善プロジェクト 改善策2

 

「顧客管理のプロセス」ではし、更に自然にVBAのユーザーフォームを使ってデータ入力をし易くクラウド保存をするので顧客データの二次利用ができる様になりました。

 

業務改善プロジェクト 改善策3

 

また、これに付随して経営者の皆さんの為に経営ダッシュボードも作りましたので経営のPDCAサイクルを高速で回せるようになり、経営判断を早く打てるようになると大変喜ばれています。

 

経営ダッシュボード完成

 

現在エクセルベースの業務であればこの規模のプロジェクトなら2,3カ月で完了します。現在の運用資源を生かせるのもこの手法の特徴です。

 

最初にご紹介したPDF資料には前回と今回の動画の内容をまとめたものですので、ダウンロードをして確認をしてみて下さい。⇒「業務改善と経営ダッシュボードを同時に設置するご提案」のPDF資料のダウンロード

 

業務改善と経営ダッシュボードを一緒に作る提案書

 

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