業務改善をする時に経営ダッシュボードも一緒に作りましょう!
この記事では業務改善をする時になぜ経営ダッシュボードも一緒に作った方が良いのかを書いています。業務改善をする時に重要な業務データを自然にクラウドに集める仕組みを組込む事で経営ダッシュボードを作る事が出来るからです。
(動画時間:7:12)
大変な時だからこそ業務改善、中長期計画を考えよう。
こんにちは、リーンシグマブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。
今世界的にビジネス環境が本当に厳しくなってきてますよね。(2020年3月現在)
NYにいる友人がこんな写真を送ってくれました。
これは都市封鎖中のマンハッタンの最近の写真で、
いつもは車であふれてますが、今は全くありません。
こんな光景は歴史的です。
僕の会社でも出張やイベントの禁止、
在庫と労務の管理の徹底するようお達しが出ています。
そんな中で管理職には普段忙しくてできない様な
業務改善や長期の計画を考える様にというのもありました。
これはとても良いアドバイスですね。
正直こう言う状況下ですぐに売上を上げる事は出来ません。
しかし、今までやっている全業務を
振り返って改善できる点はないか、
もっと全体最適化は出来ないかを
ゆっくり考える事は出来ます。
また今後の中長期の計画を考える事も良いでしょう。
そこで今日はそれをするのに
経営ダッシュボードを作る事を
視野に入れると効率的だという話をします。
業務改善をする前に会社の目標、戦略を押さえる
業務改善をすると言っても
会社では多くの業務があるわけで、
人も時間も限りがあるので
全てを同時には出来ません。
リーンシグマではバイタルフュー
(Vital Few)と言う考え方があり、
少数の、改善のインパクトが
一番大きい業務を探して
それを最初にやるのが鉄則です。
⇒「パレート図の作り方: データマイニングの最初の第一歩はこれ!【エクセルテンプレート】」
それをするのに各業務だけを見ていたら
「木を見て森を見ず」の状態です。
会社での「森」は「目標や戦略」になるし、
もっと言えば「理念」まで入れるべきなのです。
もしこの部分のご確認がまだでしたら
以前経営戦略フレームワークの
テンプレートと動画を作っていますので、
それでまず「森」を見る様にして下さい。
⇒「経営戦略のフレームワーク、「経営変革」の教科書:渡辺充彦共著【エクセルテンプレート】」
このテンプレートによってご自分の会社の
「戦略」、「サブ戦略」、それらを
達成する「取組み」までを出す事が出来ます。
KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を明確にする
この作業をする時に必ず押さえて頂きたい事があります。
その理念や目標を達成するとは社内のどの業務指標が
どうなった時なのかを明確にする事です。
それを重要目標達成指標と言い、
英語でKey Goal IndicatorですのでKGIとよく言われます。
KGIと似た言葉でKPIがありますね。
Key Performance Indicatorで重要業績評価指標です。
「従業員の業績を評価するために
KPIを設置しましょう」とよく言われますが、
このKPIを設置するためには
必ず先にKGIが必要になります。
会社のKGIを達成するにはどうしたら良いのか、
各従業員が何をしなければいけないか
という様に考えてからでないと
正しいKPIは絶対に出てきません。
このKGIとKPIについてはネットで
「KGI KPI 違い」などで検索すれば沢山出てきます。
例えばferretというサイトのページがありました。
その一部を引用すると:
例えば「お客様の満足度を上げる」という目標はKGIとしては不明瞭です。お客様の満足度を上げてリピート率や客単価をアップさせることが目的なのであれば、KGIは「1年後までに、リピート率を20%から40%に増やす」「半年後までに客単価3,000円から4,000円に増やす」と設定するべきです。
この例の様にリピート率や
客単価をKGIとした時に
それらを上げるための
従業員の行動をKPIにする事で
効果的な従業員の
目標設定ができるのです。
このKGIとKPIを簡単に列挙できる
テンプレートもあります。
「KPIツリー」と言って、
これで適切で実用的なKPIを作成できます。
⇒「KPIの設定の仕方、実用的なKPIツリー【エクセルテンプレート】」
ダッシュボードを作る事を意識すると重要業務を明確化できる
このKGIとKPIがまさにご自分の
経営ダッシュボードのコンテンツになるのです。
そのダッシュボードにKGIとKPIの
計算結果を表示するわけですが、
当然その計算をする元データが必要になります。
その元データは日々の
日常業務から出てきて、
それらの業務はKGIとKPIに直接関わるので
それ以外の業務と比べてより重要な業務なので、
その重要業務が改善プロジェクトの対象となります。
この様にダッシュボードを作る事を
意識する事でどこを業務改善した方が
良いかが自然と分かってくるのです。
業務改善をしながら自然に元データを集める仕組みを作る。
対象業務を選んだら、
それをリーンシグマのDMAICの
フレームワークで業務改善ができます。
⇒「【DMAICとは:定義、測定、分析、改善、定着】業務フロー改善プロジェクトの必勝パターン(リーン・シックスシグマ)」
DMAICについては昔に多く動画を作っていますが、
それらの事例の動画を今後もっと作っていきます。
ここで重要なのは業務改善をするだけでなく、
その業務をしながら自然に元データを
集める仕組みを同時に作る事です。
データ収集の為に新たな従業員の負担を
生んではいけません。
これをエクセルとSharePointの連携、
そしてPowerAppsやPower Automateで
業務アプリを作る事で実現できることが多々ありまし、
エクセルでの業務であればVBAを使い
自動化を行い飛躍的な改善ができます。
⇒「PowerAppsでアプリを作ってみる。業務改善イノベーションを起こそう!」
⇒「Power Automate の基本と承認ワークフローの改善プロジェクト」

例えば僕の飲食業のクライアントさんがいます。
原価率を下げる事がKPIでそれを計算するのに
今まで店舗で食材を入荷した時に
その紙伝票をまとめて定期的に宅急便で本部に送り、
本部でその原価をエクセルに手入力していました。
その業務に携帯アプリを作って、
食材入荷直後にアプリで伝票を写真で取り、
そのままクラウドに保存できるようにしたのです。
それをエクセル上でその画像を
閲覧できるようにしましたので、
瞬時に原価入力をして、
原価率をすぐに出せる様にしたら、
時間の短縮と経費の大きな削減ができました。
経営のPDCAサイクルを高速に回す経営ダッシュボード
また、エクセルとSharePoint を連携する事によって、
今まで各エクセルファイルに
埋まっていた貴重な業務データを
今までのエクセルファイルで同じ作業をしてるのに
自然とデータをクラウドに集める事ができたし、
そのデータをダッシュボードや
他の業務システムに使う事もできる様になりました。
この様に経営ダッシュボードを作る事をゴールにして:
- その過程で最重要業務の改善もできる。
- ダッシュボードの元データを全てクラウド上に置く事で、ダッシュボードファイルを開ける度に結果が更新されますので、会社の状態をリアルタイムで分かる。
- 早期の経営判断を下せるようになり、経営のPDCAサイクルを高速に回せるようになるのです。
今回の動画の内容をまとめたPDFファイルを作りました。
ダウンロードをして確認をしてみて下さい。
⇒「業務改善と経営ダッシュボードを同時に設置するご提案」のPDF資料のダウンロード
中小企業の皆さんもぜひこの
経営ダッシュボードを作ってみて下さい。
僕はこの様なシステム構築のお手伝いができますので、
お気軽にご連絡下さい。
⇒「業務改善コンサルへのお問合せ先」
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