パレート図の作り方: データマイニングの第一歩はこれ!【エクセルテンプレート】
パレート図はエクセルでゼロから作れますが、エクセルテンプレートを使って瞬時に作成し、出来た結果から次の行動計画を考え、実行することに時間を使って下さい。この記事ではパレート図の作り方からその結果の解釈の仕方を説明しています。
(動画時間:5:17)
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いつパレート図を使うか。DMAICの測定段階のおさらい
こんにちは、リーンシグマブラックベルトのマイク根上です。
パレート図の話の前に、前回のDMAICの測定段階を実施する時の3段階ステップの話を軽くおさらいをすると:
1、顧客の声: VOC から重要品質特性: CTQ を割り出す。
2、CTQをyでy = f(x) にあたる内部要因: x を見つける。
3、x、また出来れば y の測定方法も作りましょう、でした。
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上のステップ2でCTQ、重要品質特性 y = f(x) に影響を与える内部要因 x を特定したい時にパレート図が最強のツールになります。今日はそのケーススタディをしてみましょう。
僕の架空プロジェクトのプロジェクト憲章によると、「顧客からの返品率が3.8%と高いからそれを全国レベルの2%まで下げる」と言う事です。これは顧客の声と言うよりも、その結果返品が多くなったのでこの返品率がそのままCTQになります。
その返品率を y とした時のy = f(x)にあたる内部要因:xは何でしょうか?この会社では幸い返品理由のデータがありました。また返品率もデータベース上の数値から割出せます。 下図がそのデータです。A列に返品理由、B列にその責任部署、C列に過去3カ月の返品回数です。
ここで返品回数の多いい責任部署が知り、その上位部署を優先して改善を図るわけです。日本でも80対20の法則って有名ですよね。インパクトのある少数要因を優先するのが鉄則です。リーンシグマではVital Fewと呼んでいます。僕はそれを少数重要要素と名付けました。それを一目で見つけるのがパレート図です。
QC7つ道具の世界への伝播
ここで日本のお家芸であるQC7つ道具のお話をします。パレート図もその一つですね。製造業では当たり前で、これが日本の品質世界一になる事に大きく貢献しているでしょう。これを非製造業務で活用しない手は無いですね。
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これがアメリカに伝播して7 QC ToolsとしてPMPでもリーンシグマでも多く活用されています。 ただ日本と違う点が一つあります。日本に行った時に書店でQC7つ道具の書き方についての本の多さに驚いた記憶があります。こんな事を言うと、日本の品質管理の先輩方々に怒られてしまうかもしれませんが、こっちの人は書き方の勉強はあまりしません。ソフトウェアーやテンプレートが充実しているからです。
どういう時にどの道具を使って、コンピュータが出した図をどう活用するかの勉強に時間を費やします。ここでもそれに習って話をしたいと思います。 ですので今回はパレート図の日本語のテンプレートを作りました。下記のリンクをクリックしてダウンロードして使ってみて下さい。
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テンプレートでのパレート図の作り方
上図がそのテンプレートです。そこに使い方が書いてありますので、参照して下さい。このファイルはマクロを使っていますので最初にこのボタンを押してマクロを有効にして下さい。 分析するデータのあるエクセルファイルを開けた後にステップ3の「ここをクリックして、パレート図作成」を押します(セルC19)。
すると「パレート図用のデータの入ったエクセルファイルは開いてますか?」と聞いてます。開いてますので“Yes”をクリックします。すると「これがそのデータファイルですか?」正しければ「Yes」ですが、違うので「No」をクリックします。エクセルは次のファイルで聞いてきます。ここでは正しいので「Yes」をクリックします。
次に「そのデータの範囲をマウスで選択して下さい。(左に文字の列、右に数値の列の2列です。)」と言っています。ここではBとC列の部分を選択します。もしB列に重複データが有っても構いません。自動で集計してくれます。選択して「OK」をクリックします。
僕のデータにはヘッダーが無いので、それを入力します。「オレンジ色の棒グラフは少数重要要素(上位50%)を表します。」ここで「OK」をクリックするとパレート図が新シートに出てきます(下図参照)。
これが一番大事、パレート図の結果の解釈
これによると部署別で何と顧客の間違いがトップで、二位が営業部のミスでした。その二つで全体の61.6%に影響しています。これが少数重要要素であり、バイタルフューです。顧客の間違いも営業部が対処しなければいけないので、このプロジェクトのフォーカスは営業部ということが判明しました。
これはプロジェクトのすごい前進だと思いませんか?僕は測定段階でデータがあればこのパレート図を必ず使います。
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