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3ステップ根本原因分析(RCA)をする段階【DMAIC: 分析段階】(リーンシックスシグマ)

    
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3ステップ根本原因分析(RCA)をする段階【DMAIC: 分析段階】(リ...

飛躍的な改善は最重要課題の根本原因の解明から始まります。枝葉の問題か、根本原因かを見極める事が非常に重要です。根本原因の本質を論じ3ステップの根本原因分析手法や7つのムダやなぜなぜ分析などのツールを説明してます。

(動画時間:5:00)

3ステップ根本原因分析(RCA):常に根本原因を対象にする

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。

今日は、業務フロー改善プロジェクトのDMAICの3つ目の分析段階の話をします。分析段階の主題は「何がどうして悪いんだ?」を解明することです。それを3ステップで出来ます。

  1. 対象業務フローの少数重要問題を見つけ、確定する。
  2. その少数重要問題の発生原因を探り、根本原因を確定する。
  3. 解決案も入れた問題声明書を作成する。

これを根本原因分析、英語でRoot Cause AnalysisなのでRCAと呼んだりします。

会社では日々色んな問題が出てきては、それを解決するのに多大の労力や時間を費やします。それがあたかも当たり前になってたりしてませんか? 例えて言えば、火の元が燃え続けているけど、目の前の火消しを一生懸命してるようなものです。

それじゃ疲れちゃいますし、終わりが無いですよね。 まずはその火の元を見つけて、その出火原因を探り、再発防止策を施すのが根本解決です。リーンシグマでは常に根本原因を対象にします。枝葉の問題か、根本原因かを見極める事が非常に重要です。

根本原因の本質:“ムリ、ムラ、ムダ”

トヨタ生産方式では根本原因の本質を非常にシンプルにしかも適確に提示しています。それが“ムラ、ムリ、ムダ”です。

あまりにもシンプル過ぎてその重要性がちゃんと伝わるか心配しちゃうんですが、星の数ほどある個別の問題の中から“ムラ、ムリ、ムダ”を解決したら沢山の問題が解決するとしたら、これは管理者にとっては凄い福音だと思いませんか?それが事実なのです。

“ムラ、ムリ、ムダ”の中で最優先なのは“ムダ”です。その数が一番多くて解決が一番簡単なので、先ずはそれに取組みます。トヨタで言う「ムダの徹底排除」です。

トヨタは更にそのムダの本質も「7つのムダ」として解明しています。実はリーンシグマでは8つ目のムダの「従業員の創造性を使わないムダ」を加えて8つのムダとしています。⇒「【トヨタ生産方式】7つのムダ+1= ”DOWNTIME”(リーンシックスシグマバージョン)」

根本原因分析(RCA)の各段階の説明

1)少数重要問題(最大のムダ)の発見から

それではこのムダの発見を実際にどうやりましょうか?物と情報の流れ図上で出来ます。現状業務フローの物と情報の流れ図作成後に「価値無価値分析」と「8つのムダ分析」を実施するのです。

この時に測定段階で確定したCTQ、重要品質特性も考慮しながらやります。これについては次回の記事でテンプレート上で演習をします。⇒「8つのムダ分析と物と情報の流れ図でムダの徹底排除の仕方【エクセルテンプレート】」

以上はリーンのアプローチですが、シックスシグマのアプローチもあります。数値データが充分にあり、データ分析から業務結果、特にCTQのバラツキが多い時は少数重要問題のサインになります。

2)なぜなぜ分析で根本原因を確定する。

少数重要問題を確定した後にその根本原因を見つけます。それには対象業務フローの責任者を集めてQC7つ道具の特性要因図を実施します。その時にあの有名なトヨタの「なぜなぜ分析」をします。⇒「特性要因図となぜなぜ分析の4ステップの使い方【エクセルテンプレート】」

「なぜなぜ分析」は「5 Why Analysis」として全世界で使われています。リーンシグマに対する日本の影響ってすごく大きいんですが、日本の皆さんがご存知ない事に僕はいつも寂しくなります。

確定した少数重要問題に対して「なぜそれが発生するのか?」を最低5回は繰り返して下さい。また出てきた答えに対してもまた同じ質問をするのです。それぞれの答えを論理的に繋げて魚の骨型の特性要因図に埋めていきます。これでより深い部分を洞察できるので、根本原因が見つけられます。

3)解決案を入れた問題声明書を作成する。

次に解決策や再発防止計画を議論し易いように問題声明書としてまとめます。そして問題声明書を見ながら解決策案を出して、それを問題声明書に加えます。この後に全ての問題を解決した新業務フローの設計をします。

トヨタ生産方式では多くの解決策を提示していています。多くはサービス業務改善にも適用出来ます。今後はその話もしていきます。

PDCAサイクルを埋め込んだ、問題を解決した全体最適化した新業務フローを設計する。

リーンシグマの分析段階の最後に、この根本原因分析と問題声明書を見ながら最後に新業務フローの設計をします。

この問題声明書の全てを解決し、更にその中にPDCAサイクルを組み込んで、業務をこなしながら、各作業員や監督者達が自分達の作業が良くできているのかそうでないかを知る事ができて、自律的に作業を正していく仕組みを入れるのです。

今日はDMAICの3つ目の分析段階についての話をしました。

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