顧客の声を業務改善で活かす、QFD(品質機能展開):後編(品質特性への変換)【有料テンプレート】
前回のQFD、品質機能展開の前編記事に引続き、そこで作成した顧客の要求項目からその解決策である品質特性を出し、どの様にして優先順位付けをしてQFDの結果を出し、結果の使い方をエクセルテンプレート上で実演します。
(動画時間:10:31)
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QFDにおける「品質特性」とは?
こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。
今回は前回のQFD、品質機能展開の後編になります。
その前編ではQFDの基本とそのやり方の前半部分、
つまり、VOCを集め、重複の無い簡潔な要求項目に変換するまでを
エクセルテンプレート上で行いました。
まだそれをお読みになっていない方は
そちらを先に読まれたら良いと思います。
⇒「 顧客の声を業務改善で活かす、QFD(品質機能展開):前編(VOCの収集から要求項目への変換まで)」
前回作成した要求項目は顧客の要望であり、
そのままでは何のアクションも起こせません。
そこでその要望を解決する解決策に変換するのが次のステップです。
その解決案をQFDでは「品質特性」と呼びます。
品質特性は製品開発と業務改善では同じ概念ですが、
ニュアンスが少し違ってきます。
製品開発では各要求項目を満たすための
ソフトウェアやハードウェアを書いていく事になります。
どんな機能や特性が必要か、
特に定量的にどれだけ必要かまで検討します。
しかし、業務改善ではもう少しシンプルで
各要求項目を達成するための社内の施策を列挙していくのです。
今日はそっちの作業をやっていきます。
実際に作業をするにはその対象業務を
熟知している人と一緒にやって下さい。

上図が今回のQFDのエクセルテンプレートです。
E列に前回作成した要求項目が並んでいます。
「手順書の表示」ボタンをクリックして、
手順を確認しましょう。(下図参照)
顧客の要望をその解決策である「品質特性」に変換する。

ステップ5で「5)各要求項目を実現する品質特性へ変換する。」
そして、「a. 各要求項目を実現する品質特性を黄緑色のG列に列挙する。」という事です。
この「セルG7へ→」をクリックすると、そのセルに飛べます。
この変換作業をいくつかやってみましょう。
最初の要求項目のグループは全てSharePointサイトを
使っているという事でしたので解決策としては
「SharePoint サイトの再構築」が急務ですね。
そして新しい問合せニーズがあるにも関わらず、
サイトの更新がほとんどされていなかったという事で
「サイトの更新頻度を上げる仕組みを作る」事を
しなければいけないと結論付けました。
この作業をする時の注意点を手順書に書いておきましたので
それらを見ながら作業を行ってみて下さい。(上図参照)
それでは次の要求項目のグループを見てみましょう。
「質問をよく理解して正確に回答をしてほしい。」
これは受付の人材育成の問題で、
まだマイクロソフトTeamsを使っていないという事で
それを活用したナレッジデータベースをこれから蓄積する案が出てきました。
次の要求項目は
「依頼した事案に対し速く対応してほしい。」ですが、
この状況は全ての対応をメールと電話の受付でやっているので
案件が週によっては多過ぎる時があるという事です。
ここでマイクロソフト365のPower Virtual Agentsを
使って簡単な問合せは自動で対応する様にできます。
この様にして全ての要求項目に対して品質特性を考えたのが下図になります。

次のステップが
「b. 全要求項目を確認後に重複や類似した品質特性を削除する」です。
ここでエクセルの重複の削除機能が使えます。
入力した全品質特性を選んで、
エクセルのメニューバーの「データ」、「重複の削除」、
「現在選択されている範囲を並べ替える」にチェックを入れて、
「重複の削除」をクリックします。
次の小画面内の「先頭行をデータの見出しとして使用する」のチェックを外して、
「OK」をクリックすると、重複が簡単に削除できます。
次のステップが
「6)変換した品質特性とそのグループ名を親和図法でF列に記入する」です。
このステップは前編でやったステップ4と全く同じ方法ですので、説明を割愛します。
それをやってF列のグループ名で並べ替えをすると、親和図法の完成です。
⇒「 顧客の声を業務改善で活かす、QFD(品質機能展開):前編(VOCの収集から要求項目への変換まで)」
各要求項目と品質特性との関係度合を分析する品質表を作成する。
QFDでは本来品質特性は上部の横軸になります。
そこで手順書内の「品質特性の再配置」ボタンを作りました。
それをクリックすると、(下図参照)
品質特性とグループ名が横軸に自動でコピペされて、
さっきのFとG列は非表示になりました。

列幅の調整が必要ならそれをして下さい。
これで次の作業に行けるのです。
もしFとG列を表示したければ「F&G列表示」ボタンをクリックして下さい。

これで顧客の声、VOCを展開して
それを達成する品質特性とそのグループ名を抽出し
QFDの表に書き込むところまでやったのです。
このテンプレートではこの作業を通常の会議室に集まって
ホワイトボードと付箋を使ってやるより短時間で行えますし、
全員がテレワークでもこの作業をする事ができます。
次のステップを見てみましょう。
「7)各要求項目と品質特性との関係度合を分析する品質表を作成する」です。
これは各品質特性が各要求項目に対して、
どれぐらい解決できるかの度合いを黄色のセルに
半角で1から5までの数値で評価するのです。
一番強い度合いを5とします。
要求項目毎に横へ見ていくのか、
品質特性毎に縦に見ていくのかの決まりはないですが、
僕は縦方向の方がやり易いとは思います。
2,3やってみましょう。
まず、「SharePointサイトの再構築」です。
最初の四つは直接関係するので5を入れます。
次のは、3くらいかなと。
この様に全ての品質特性を評価したのが、下図です。

次のステップが
「c. 水色の「要求項目重要度」の列に各要求項目の重要度を1から5で評価する」です。
今回要求項目が、16個ありますが、その中でも
会社として重要なものとそうでないものがあります。
それらに優先順位を付ける為にこの作業をするのです。
下図の一番右の列がその結果です。
この二元表を品質表と言い、それが完成したのです。

QFDの結果を参照して行動計画(品質設計)を立てる。
次がステップ8で、
「8)他社と比較し、戦略ポイントを分析する「品質企画」をする。」です。
テンプレートの右に行って、
最後のセクションがその品質企画の列ですが、
新製品開発でQFDを行う場合は
自社商品と他社商品の比較などをしますが、
次の手順に書いてある通り、(下図8、a 参照)
「業務改善のQFDではこのステップ8はスキップする」のです。
新製品開発でこのテンプレートを使う方は
この手順に従って行って下さい。ここでは実演をしません。

そしていよいよ最後のステップで
「9)「設計品質」セクションの結果を考察して自社の行動計画を施策し、実施する」です。
手順書内の「設計品質へ→」をクリックすると、
結果のセクションに行きます。(下図内の下部参照)

業務改善のQFDではこの「品質特性重要度」の結果を使います。
黄色の品質表の数値と水色の要求項目重要度の
数値によってこの数値は変わり、
この数値が高い品質特性ほど優先順位が高くなるのです。
今回の例では「受付業務システムの導入」や
「Teamsの活用で人材育成」が一番高くて、
次が「トレーニング」や
「フィードバック機能を入れる」となりました。
これらを優先して次の行動計画を立てて実施するのです。
色んな分野に更なる展開ができるQFD(品質機能展開)
どうですか、最初に沢山あったVOCから
このQFD、品質機能展開によって次に何をしなければ
いけないかを導いてこれるのです。すごいですよね。
これだけではありません。更に次のステップがあるのです。
最後のステップで
「10)次のボタンをクリックして、部品や製造プロセスレベルなど
次のレベルのQFDを実施する」です。
そして、その「次のQFDの準備」ボタンをクリックすると、
新しいシートが自動作成されて、
前回の品質特性を今回の要求項目にした
新しいQFDシートが準備されるのです。
手順書のステップ5から今までの作業を繰返して
前回の各品質特性を実現するにはどうしたらいいかの
次のレベルに色んな方向に展開していけるのです。
例えば品質的に展開したり、生産技術、
コスト、マーケティングなど、
自分の目的によってその方向性に展開ができるのです。
だから名前が品質機能展開なのです。
応用範囲が広いこのQFDを
今日から実施できる様にこのテンプレートは工夫されています。
30日間返金保証でたった500円でダウンロードできますので、
皆さんお気軽に試してみて下さい。
下の購入ボタンをクリックして頂いて、
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それをクリックしてこのテンプレート
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