ポカヨケの事例と4ステップで設計・導入の仕方(ポカミス防止)
ポカヨケはミスが起きない状態を作る考え方や手法です。このポカヨケには大きく2つのタイプがあります。強制式ポカヨケと注意式ポカヨケです。ポカヨケの事例と共に職場にこのポカヨケを設計・導入する4ステップを紹介しています。
(動画時間:4:23)
不良ゼロを目指すというポカヨケとは?
こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。
ポカヨケは製造業の人で知らない人はいないくらい有名で、海外でも「Poka Yoke」で通じます。間違いやミスの「ポカ」を「よける」から来ています。
人間である以上誰でも間違いやミスを犯します。ただ仕事でのミスは大きな損害や安全面での問題に繋がりますね。そのミスを起きない状態を作る考え方や手法が「ポカヨケ」です。
ポカヨケの事例
一番身近な例はUSBケーブルですね。このケーブル、物理的に上下逆に差し込められません。
もう一つの例は、うちの流しの下のパイプは下の画像の様な感じです。間違って大事な物を落してもパイプを外して取り戻すことが出来ますね。これも「ポカヨケ」です。
製造業務の場合はこのポカヨケには大きく2つのタイプがあります:強制式ポカヨケと注意式ポカヨケです。強制式ポカヨケは理想的で、工程や工具を工夫してまさにミスが物理的に起きない状態にするポカヨケです。
この強制式ポカヨケが出来ない時に注意式ポカヨケを考えます。この注意式は作業者がミスを犯しそうになったら色や音で知らせて注意を促してミスを防ぐポカヨケです。
車のヘッドライトは良い例ですね。ライトを付けっ放しにしてエンジンを止めたら一昔前の車なら音を鳴らして教えてくれましたね。これは注意式ポカヨケです。でも最近の車は勝手にライトを消してくれます。車が進化して強制式ポカヨケをやってくれているわけです。
ポカヨケを設計する4ステップ
ではこのポカヨケを僕らの仕事や会社でやっていくにはどうしたらいいでしょうか?ポカヨケを実施する4ステップをご紹介します。
1)「人はミスを必ずするけど、ミスの原因は責任者の自分にある」と肝に銘じること。
これは単なる精神論だと思われますが、ここで人のせい、部下のせいにしているうちは、全くポカヨケのアイディアが出てきません。
「ポカヨケをやるのだ、そのためにはどうしたら良いのだろう?」と考え方を変えることは思った以上に大事なことです。サービス業務の場合は今までこの考え方が無かったし、前例も少ないのでこの心構えは特に重要です。これが出来て初めて前に進めます。
2)ポカヨケの対象となる一番ミスの多い業務や工程を見つけること。
リーンシグマではいつも少数重要要素を対象とします。同じやるでも数の多い問題を解決した方が結果のインパクトがより大きくなりますね。
⇒「少数重要要素を見つけるパレート図の作り方 【エクセルテンプレート】」
3)そのミスの根本原因を見つけ、強制式や注意式ポカヨケを設計する。
その時になぜそのミスが起こるのかのなぜなぜ分析を実施し、特性要因図を作り、根本原因を見つけると良いでしょう。
⇒「なぜなぜ分析と特性要因図の4ステップの使い方【エクセルテンプレート】」
4)作業標準書とチェックリストを作成し作業者研修をする。
エクセルやPDF上の仕事であれば入力規則機能やマクロを使ってポカヨケを実践出来ますが、正直、サービス業務の場合は強制式や注意式ポカヨケを設置できることは少ないです。
そこでよりミスが出にくい作業標準を設計し、文書化すると良いでしょう。重要ステップのチェックリストも作り、それをチェックしながら作業をしてもらうわけです。⇒「5ステップ、標準作業手順書の作り方【エクセルテンプレート】」
また、その標準作業は作業者にも喜ばれるものにしないと、時間が経って今までの方法に戻ってしまったら元も子もないですから。このポカヨケで作業ミスゼロを目指して下さい。
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