トヨタの5Sって何?5S活動の基本を学びましょう。
トヨタの5S活動の基本とその活動の5ステップを分かり易く説明してます。5Sは「整理、整頓、清掃、清潔、躾」のローマ字の頭文字でそれらをする活動です。5Sはトヨタ生産方式の「目で見る管理」の根幹なのです。
(動画時間:5:27)
トヨタの5Sとは?
こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。
皆さん、5Sってご存知ですか?製造業の方なら全従業員の仕事の基本と教わるでしょう。この5Sはトヨタが体系化し、今では世界中で使われています。
5Sとは「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾」のローマ字の頭文字でそれらをする活動です。
「要は現場の掃除だね、何がそんなに重要なの?」と言う声が聞こえてきそうですが、実際にはとても重要なのです。
5Sはトヨタ生産方式の「目で見る管理」の根幹なのです。これについて以前の動画で話していますので次のリンクをクリックしてご確認下さい。⇒「大野耐一語録から考える「見える化」とは?【トヨタ生産方式】
5S活動の必要性
工場や職場で散らかっている為に物を探す行為があったとしたらそれはムダですね。怪我やミスの発生率が上がり、社員のモチベーションも下げます。
そして物や在庫が増えると問題が隠れてしまっていつまでも解決されなくなってしまいます。5Sを社内で徹底することで生産性の高い、素晴らしい社風を築くのです。それが5Sの本質です。
ちなみに英語版の5SはSort、Set in order、Scrub、StandardizeそしてSustainです。全てSから始まってます。上手く英訳出来てますね。
トヨタの5Sの各ステップの説明
整理 (Sort)
全てのものを要るものと要らないものに分けて、要らないものを捨てます。ここでよく赤札が使われます。見やすい赤札を要らない物に張っていくのです。⇒「【5S 活動 事例】5S の進め方と5S赤札テンプレート【エクセルテンプレート】」
ここで問題となるのはいつかは使うから取っておきたい物です。その解決方法は赤札作戦を始める前に要る要らないのルール決めをする事です。
例えば過去6ヶ月使わなかったものは捨てるとか、今後6ヶ月使わなかったら捨てるとかです。その貼る赤札に6ヵ月後の日付を書いておきます。そしてその日が来たら捨てるのです。
整頓 (Set in order)
必要な物を誰もが分かる様に置き場を決め名前を表示することです。下の写真のように目印を付けて表示すると良いでしょう。使った後にそれが戻されていなかったら一目で分かりますから。

写真引用元:wikimedia.org
清掃 (Scrub)
掃除をし職場をきれいにします。要らないものをどけたので、今まで隠れていた汚れも出てきます。
清潔 (Standardize)
最初の「整理、整頓、清掃」の3Sを維持することであり、維持する仕組みを作ることです。ここでPDCAサイクルをいかに回すかが重要です。例えば、交代で当番を決めて週に一回彼らが3Sが維持されているかをパトロールするとかです。⇒「PDCAサイクルの基本とPDCAサイクルを経営に活かす方法」
躾 (Sustain)
最初の4Sで多くの決まりごとやルールが出てきます。全社員がそれらを遂行し習慣になるようにすることです。
例えばある決まり事が破られたとします。なぜそれが起きたかを分析し、それがシステムの問題であればそれを改善し、社員個人に原因があれば個別に指導します。社員が言われなくても行っている状態を目指します。
5Sプロジェクトを成功させる条件
これで5Sが単なる掃除を行うプロジェクトで無いことはご理解頂けたでしょう。
最初はプロジェクトを立ち上げて始めるのが普通ですが、この5Sのシステムを構築した後にそれを全社員に渡してそのプロジェクトは終わりますが、5S自体は全社員が実行し続けなければいけないので大変なプロジェクトです。
この5Sプロジェクトを成功させる必須条件であり、一番重要なことは会社のトップの決意とその成功へのリーダーシップです。
また、全社員に浸透させるには管理職や中間管理職の率先垂範が求められます。「社長がやれって言っているからやれよ」じゃ下の人達は付いて来ないですよね。
ここで日本の軍人の山本五十六の名言をご紹介します。全てのリーダーや教育者が実行するべきことです。
『やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ』
この順番が重要なのです。まずやってみせて、説明して、それをやらせてみて、褒めてあげればその人は動きますよってことですね。
今日はトヨタが産んだ5Sを紹介しました。自分はリーダーでも管理職でもないという方でも、ぜひご自分の周りやご自宅でこの5Sを実践して見て下さい。
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