PMPのステークホルダーマネジメントの基本とやり方(登録、分析、行動計画)【エクセルテンプレート】
PMPのステークホルダーマネジメントの活動のプロセスはステークホルダー登録、分析、関与度アセスメント、行動計画作成と実施、そしてマイルストーン毎での関与度の再査定です。この基本と方法をテンプレート上でステップバイステップで解説してます。
(動画時間:5:01)
ダウンロード ←これをクリックして「利害関係者(ステークホルダー)マネジメントツール」をダウンロードできます。
ステークホルダーマネジメントとは?
こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。
ある視聴者さんからまた動画内容のリクエストを頂きました。
「ステークホルダー分析の話を期待してるんですけど、見当たらないですね。」
ありがたいですね、リクエストありがとうございます。皆さんもリクエストやご質問が有れば下のコメント欄にどんどん書いて下さい。リクエスト文ではステークホルダー分析と言ってますが、これは利害関係者マネジメントの中の一ステップですので、利害関係者マネジメントを先に話します。
プロジェクトには必ず目的があるわけで、その成功に影響を与える人達が必ず存在します。その人達を軽んじて反対を受けるより、良い関係を築いて、支援を受けるようにしたいのです。これが利害関係者マネジメントの目的です。
PMPの教科書、PMBOKの第5版からこれが大きく取り上げられています。今回このPMBOKに則したステークホルダーマネジメントツールのエクセルテンプレートを作りました。下記のリンクをクリックしてエクセルテンプレートを使ってみて下さい。
ダウンロード ←これをクリックして「利害関係者(ステークホルダー)マネジメントツール」をダウンロードできます。
ステークホルダーマネジメントツールの使い方
これがそのテンプレートです。ちょっとしたマクロを使ってますのでこれらのボタンを押してマクロを有効にして下さい。
(下の画像をクリックして大きく表示できます。)
1)ステークホルダー登録
最初にやるのがステークホルダー登録です。チームと会議を持ち、このプロジェクトの依頼者やその上司、また外注先や問題のありそうなチームメンバー等、全てを白板に書き出します。その中から今後モニターをしていく必要のある利害関係者を最初の表の青のセルに書き込みます。
2)ステークホルダー分析図
次に優先度合を調べるステークホルダー分析をします。二つの指標を考えます: 「権限の強さ」と「直接関与度合」です。各指標で1から10までの数字を半角で入れると、下の図表上に名前が出てきます。全ての数字を入れると、こんな感じになりますね。全利害関係者の名前が出てきましたね。
その中で右上の「最も密な対応」の領域に出てきた関係者が一番優先順位が高くなります。その次が左上の「満足の維持」領域です。関与度が高くて権限が低い右下の「常に情報提供」が3番目で、左下の「モニタリングのみ」と続きます。
3)ステークホルダー関与度アセスメント
次に利害関係者関与度アセスメントをします。各関係者が最初にどれだけ自分のプロジェクトに関与しているかを記録するのです。尺度は5段階の「不認識」「抵抗的」「中立的」「支援的」そして「指導的」です。各定義はこうです:
- 不認識:プロジェクトとその潜在的な影響を認識していない。
- 抵抗的:プロジェクトとその潜在的な影響を認識しているが、変化に抵抗している。
- 中立的:プロジェクトを認識しているが、支持も抵抗もしていない。
- 支援的:プロジェクトとその潜在的な影響を認識していて、その変化を支持している。
- 指導的:プロジェクトとその潜在的な影響を認識し、積極的にプロジェクトの成功に関与している。
この表で各尺度に3つのセルが有ります。
緑のセルをクリックするとBeginningの“B”が出てきます。白いセルをクリックするとCheckの“C”、ピンクのセルだとDesiredの“D”が出てきます。今は最初の直接関与度合を記録するのでBeginningの緑のセルだけを使いましょう。
次に各関係者の好ましい関与度を考えて記録します。全ての利害関係者が「指導的」でも困っちゃうんですが、全ての関係者が「支援的」以上であれば良いですが、最低でも「中立的」にしたいですね。Desiredのピンクのセルをクリックして記録しましょう。これが目標となるのです。
4)ステークホルダーマネジメント行動計画
以上の結果を踏まえて各利害関係者に対しての自分の行動計画を考えます。セクション4の表に、彼らの重要関心事、自分の行動計画そしてどのように連絡を取っていくのかの連絡手法を書き込みます。
コミュニケーションはプロジェクトでは特に重要ですから、どれ位の頻度でどのようにコミュニケーションを各関係者と取るかを「連絡手法」欄に明示します。例えばメールで週報を送るとか、毎月進捗会議を持つとかです。
5)ステークホルダー関与度再査定
これでとりあえず完成ですが、プロジェクトを進めていき、時々セクション3の関与度アセスメントをします。その時の関与度を再査定し、Checkの白のセルをクリックして“C”が出てきて記録されます。そして好ましい関与度にどれだけ近づいたか確認し、必要に応じてセクション4の行動計画を更新します。
以上がステークホルダーマネジメントの実践の方法でした。
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