業務改善と標準化を同時に実現:MS 365業務システム開発

Google アップシートとデータポータルの連携で高速PDCAサイクルを回す【業務システム開発事例】

    
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Google アップシートとデータポータルの連携で高速PDCAサイクルを...

データベースを共有してGoogleアップシートとデータポータルを連携させて、高品質な業務システムが短期間でできます。この記事でその二つの役割分担と実際にどう連携するかをPDCA管理アプリを事例に図解しています。

(動画時間:8:42)

Googleアップシートとデータポータルを連携させる。

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。

業務改善のお手伝いをする時に
「Microsoft 365は導入していないので、Googleでお願いします。」
と言うご要望をよく聞きます。

そこで以前、業務アプリが作れるGoogleアップシートと、
⇒「無料で業務アプリが作れるGoogle AppSheetとは?MS PowerAppsとの違い。」

経営ダッシュボードが作れる
同じくGoogleのデータポータルをご紹介しました。
⇒「【Googleデータポータル】無料で経営ダッシュボードが作れる!」

今回は、もう一歩踏み込んで、
その二つを連携させて無料ですごい業務システムが作れます、
と言うのが今日のテーマです。

Googleアップシートとデータポータルの役割分担

まずはその二つの役割分担を
Microsoft 365と対比して理解してみましょう。

通常業務でペンと紙でやっている業務は
まだまだ沢山ありますね。
また、各自がエクセルでやっている事も多いです。

しかしそれではそこで回収した業務データは
紙に残っていたり、各自のPCに眠っているだけで、
他の人がその情報を二次利用すのは難しいし、手間が掛かります。

もしそれらの情報が必要だったら改めて
エクセルやパワポで時間を掛けて報告書を作成しています。
当然これだとPDCAサイクルの速さと質、また量も少ないです。

それをマイクロソフトでやる時に
PowerAppsでアプリを作ったら飛躍的な業務改善ができるだけでなく、
自然と業務データをクラウドに保存して、
後で誰でも、必要な情報を必要な時に必要な状態で活用できるのです。

またそのデータをPower BIを使って経営ダッシュボードを作ると、
管理者、経営陣も随時高速なPDCAサイクルを回せる様になり、
正確な経営判断ができる様になるのです。

しかし、マイクロソフト365は有料ですし、
Power BIは更に追加で料金が掛かるので
中小企業ではちょっとハードルが高いです。

そこがGoogleのご要望が多い理由で、
Googleだと最初はとりあえず無料で始められるので、
先ほどの通常業務にはアップシートで業務アプリを作り、
PowerAppsと同じように飛躍的な業務改善をしながら
業務データをクラウドに収集します。

そしてデータポータルで経営ダッシュボードを作って、
そのデータを使った高速のPDCAサイクルを回せるのです。

Googleアップシートとデータポータルの役割分担

僕の意見は、Microsoft 365を導入できるのであれば
そっちの方がより多くのツールが使えるので
最終的にはコスパは高いと思います。

しかし、直ぐにその導入を決められない場合でも
無料で飛躍的な改善ができるGoogleの選択肢があるのです。

GoogleアップシートとデータポータルでPDCA管理アプリを作る

それでは実際のアップシートとデータポータルの
連携の事例を見てみましょう。

今回のクライアントさんは経営戦略コンサルの会社で
彼らのクライアントのPDCAサイクルを効果的に回せるツールを
作りたいというご要望でした。

彼らのクライアントさんのKGIやKPIの作成をする
ご指導をされていて、
今まではそれらのKPIの結果をエクセルで管理をし、
メールで共有をされていました。

そこで今回GoogleアップシートでPDCA管理アプリを作り、
それでKGIとKPIの実績データを収集して、
データポータルで集まったデータを分析するダッシュボードを作って

高速なPDCAサイクルを回すシステムを作ったのです。

事例:PDCA管理アプリの機能と実演

これがアップシートで作ったPDCA管理アプリです。
アップシートもデータポータルもネットのブラウザで起動するので、
ブックマークから直ぐに使い始める事ができます。

また、使う端末によって表示を最適化してくれるので
スマホやタブレットなど、どれでも使えるのです。

このアプリの大きな流れは5段階で、

  1. 「実績入力」、
  2. 「ダッシュボード確認」、
  3. 「考察とTo Doリスト作成」、
  4. 「アクション実施」、
  5. そして「コミュニケーション」です。

データ入力機能:「実績入力」

画面左のの「実績入力」ブロックで会社が設定したKPIが並んでいて、
ユーザーは右上の鉛筆アイコンをクリックして
直近の実績を簡単にクラウド保存できます。(下図参照)

PDCAのチェックで反省、分析:「ダッシュボード確認」

「実績入力」ブロックで一行クリックすると
「ダッシュボード確認」ボタンが表示され、それをクリックします。
すると、ブラウザの新しいタブが開き、
データポータルで作ったダッシュボードにスムーズに行けるのです。

ここではKPIの各項目と目標がハイライトされていて、
折れ線グラフ内の青線が実績値の履歴で赤線が目標値です。
これで、自分の達成度が直観的に分かる
ので、
これを見て自分の結果を分析/考察をして、新たな行動計画を立てます。

ちなみに各ユーザーは自分の事業所のデータしか見えないですが、
複数の事業所の監督者はプルダウンで
事業所を切り替えて見る事ができます。
アップシートも同じ機能を実装しています。
これを英語ではRow Level Securityと呼びます。

PDCAのアクトで、改善アクション:「考察とTo Doリスト作成」

またアップシートに戻って、「改善/アクション」ブロック内に
各KPI毎に考察と行動計画を記録する欄があるので、
そこに記録していきます。
行動計画は箇条書きで書いて、
毎日のTo Doリストとしてこなしていくのです。

従業員のアクション実施度合を可視化する:「アクション実施」

このアプリの最大の特徴は
ユーザーのアクションの実施状況を見える化する事です。

各KPIに対してアクションを実施したら、
同じブロック内の上の「アクション実施」ボタンをクリックします。
するとそのKPIの実施回数として加算されていくのです。

またダッシュボードに行きましょう。
実はグラフ内の緑の線は各KPIの実施回数の履歴だったのです。
(下図内グラフ参照)

これで各KPIでどれだけアクションを起こしているか、
自分のアクションが実績に結びついているのかを確認できる
ので、
これが次のアクション計画作成の重要なデータになるのです。

またグラフの上のテーブルで(上図参照)
各KPIの過去の考察、アクション、そして実施回数を確認できます。

この実施回数を見える化する事で
ユーザーの達成感を上げられるだけでなく、
この情報は彼らの上司やその上の経営者にとっては、
部下のアクション度合を客観的に知る事ができる、
画期的な事なのです。

このアプリにはもう一つ
PDCAサイクルを効果的に回す工夫がされています。

PDCAサイクルを効果的に回す:「コミュニケーション」機能

またアップシートに戻って、
中央下の「コミュニケーション履歴」ブロックの
「+」アイコンをクリックして、
監督者もユーザーも誰でもコメントを投稿できて、
事業所毎にその履歴がこのブロックで見えるのです。

また同じ情報をデータポータルの上の表でも見えるので、
監督者は効率よく部下の仕事の管理ができ、
これによって社内のコミュニケーションの質と量を増やす事によって
高品質のPDCAサイクルを回す事ができるのです。

アップシートとデータポータルの連携の一つの問題

どうですか、このアップシートとデータポータルが
データベースを共有してこれだけ質の高い業務システムが
短期間で作れてしまうのです。

しかし、問題が一つあります。
アップシートが最近のテクノロジーなのが理由ですが、
「アップシート データポータル」のキーワードでネット検索をしても、
この二つの連携の記事がほとんどありません。

また、これだけの高品質なシステムにするには
ノーコードではなく、実際にはコードを書く必要があります。
しかし現在は技術情報は全て英語の情報に頼るしかありません。

ですから今後、僕はアップシートとデータポータルの技術情報も
多く発信していこうと思っています。

中小企業の皆さん、このプラットフォームで
自社に本当に必要なDXを達成する事ができますので、
ぜひ、使用の検討をしてみて下さい。

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