無料で業務アプリが作れるGoogle AppSheetとは?MS PowerAppsとの違い。
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この記事ではノーコードで業務アプリを短期間で作れるGoogle AppsSheetの紹介と、それのマイクロソフトPowerAppsとの違いについてと、またどの様な方がどちらのサービスを使った方が良いかのご提案をします。
(動画時間:10:20)
AppSheetでツイッターとフェイスブックの投稿ができるアプリを作ってみた。
こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。
僕はYouTubeでマイクロソフトのPowerAppsについての
動画配信を沢山してきましたが、
Googleのサービスはあまり使っていませんでした。
その反省から、今回調べて、Googleでも
AppSheetという業務アプリ作成サービスがあり、
早速それを使ってアプリを作ってみました。
それをまずお見せしてから、その後に
僕から見たAppSheetとPowerAppsの違いや価格の話をして、
どの様な方がどちらのサービスを使った方が良いかの
参考にして頂けたらと思います。
AppSheetで作ったツイッターとフェイスブックの投稿アプリのデモ

上図がAppSheetの開発画面です。
この右側にアプリのプレビュー画面がいつも表示されています。
まず僕がAppSheetがすごいと思った事は、
最初から携帯端末用とPC画面用で、
画面を切り替えたら自動で最適化してくれる事です。
ただ大きさが変わるのではなく、
見やすい、使い易い配置にしてくれるのです。
上図はスマホのプレビューモードで、
下図はエンドユーザーのタブレット/PC画面モードです。

僕が作ったこのアプリの説明を簡単にします。
皆さんツイッターやフェイスブックをされていると思いますが、
投稿をする時に、その二つの別々のアプリで
投稿しなくちゃいけなくて、手間ですよね。
そこでそれを一つの場所でできるアプリを作ったのです。
上図のアプリ画面を見て下さい。
左のカレンダーでいつ投稿したかが分かるし、
一つの投稿を選択して、右の画面で投稿内容が見えます。
真ん中の投稿一覧からでも選べます。
投稿をする時は画面中央の下の大きい「+」の追加ボタンを押して、
共有したいサイトのページのURLをここにコピペして、
投稿内容を書いて、保存(Save)します。(下図参照)

そしてこの「Twitter投稿」の横のリンクをクリックをすると、
直ぐにTwitterで投稿できます。(下図参照)

下にスクロールし、
同じ様に「Facebook共有」の横のリンクをクリックして、
これでFacebookにも投稿できるのです。
もちろん、同じ事を携帯端末からでもできます。
僕はこれで将来の投稿の下書きの保存もやっていこうと思っています。
そして実際に投稿をしたらこの投稿済みのボタンをオンにして、
これで毎月の投稿数をいつでもグラフで確認できるのです。(下図参照)

どうですか、かなりの高機能ですよね。
僕の必要な機能は完璧に実装できました。
因みに新しいIT技術を学ぶ時は最初に作るものを決めて、
作りながら学ぶのが一番早いです。
Google AppSheetとマイクロソフト PowerAppsの違い
下図の様にPowerAppsとAppSheetの対比表を作りました。

アプリ作成期間
このアプリは僕の初めてのAppSheetアプリで
沢山調べながら作ったのですが、
それでも数時間でできてしまいました。
慣れたらもっと速くできるでしょう。
AppSheetでの作成の速さは間違いなくPowerAppsより速いです。
PowerAppsも他のプログラム言語に比べたら
アプリ作成期間は短期間です。
しかしAppSheetはもっと早くて超短期間ですね。
技術取得の難易度
次に技術の習得する難易度はPowerAppsは「ローコード」と呼ばれます。
つまり、低いコードと言う意味で、
他のプログラム言語と比べたら少ないコードで開発できます。
難易度を肌感覚で言うと、
エクセルのVBAとエクセル関数の中間って感じです。
それに対してAppSheetは「ノーコード」です。
多少短い関数を書く事もありますが、
ほとんどマウスで作業をします。
コードを勉強する必要はありませんが、
必要な設定を画面のどこでやるかを覚える必要がある感じです。
開発画面の言語
しかし、ここで日本人の僕らには大きな問題があります。
PowerAppsの開発画面は日本語ですが、
AppSheetの開発画面は全て英語です。
そんなに難しい英語ではありませんが、
今後の日本語化に期待したいです。
ネットでの日本語での技術的な情報もまだ少ないので、
今後は僕はAppSheetの情報発信もしていきます。
対象開発者
対象開発者はPowerAppsは、実務で使えるアプリを作ろうとしたら
やはりアプリ作成専門者が必要でしょう。
それに対してAppSheetはノーコードなので、
アプリの使用者が自分に必要なアプリを自分で作るのも可能でしょう。
機能の拡張性とカスタマイズ性
次に機能の拡張性とカスタマイズ性ですが、
PowerAppsはコードを使える分、
デザインや細かい機能の作り込みが可能で、
拡張性とカスタマイズ性はとても高いです。
それに対してAppSheetですが、実は、
写真や動画活用機能、QRコードやバーコードをスキャンする機能、
またGPSや地図画面機能を実装するのがとても簡単にできます。
正直、簡単すぎて驚きました。
この様に色んな機能やデザインを実装できますが、
全て選択肢の中から選ぶ感じです。

上図はPowerAppsの開発画面です。
PowerAppsでは作るアプリの各画面を細かくデザインして、
そこに機能を付けていく作業です。
それに対して、下図はAppSheetの開発画面ですが、
画面左の「Data」タブで、接続しているデータベースの各テーブルが見えて、
そのテーブル内で各フィールドの色んな設定ができます。

この列でデータ型を設定しますが、
その選択したデータ型で機能を付けていけます。
どういう事かと言うと、例えば「Image」型を選んだだけで、
後でカメラ機能が自動で出てきて、写真を撮って
そのままデータベースに保存できてしまって、正直ビビりました。
また、右にスクロールすると「SCAN?」の列があり、
その列にチェックを入れたフィールド(列)は、
それだけでQRコードのスキャン機能が後で使えるようになるのです。
これだから作成期間が超短期間になるのです。
PowerAppsでもこの様な機能の実装ができますが、
各種設定と数式を書く必要があります。
しかし逆に言うとPowerAppsではもっと細かい設定ができますが、
AppSheetでは標準のデザインを変える余地がほとんどありません。

もう一つ見てみましょう。
画面左の「UX」タブで最終的なアプリの画面を作りますが、
これも用意されている画面のタイプや必要な機能を選べるだけです。
画面左の「Behavior(行動)」と「Automation(自動化)」タブで
便利なボタンを作ったり、自動化機能を実装する事ができます。
PowerAppsでは色んな便利機能や間違い防止機能を付けたり、
複雑な業務フローにも対応できます。
しかし、AppSheetはノーコードだからしょうがないですが、
準備された事以外はやれなくて、
デザインや作り込みの部分である程度妥協が必要だと思います。
ユーザーが10人以下ならGoogle AppSheetを使うのが良い。
それでは、まだマイクロソフト365を当分使わない会社の方で、
これから業務アプリを作って仕事のDX化をしたいとしたら、
どうしたら良いでしょうか?
次のリンクでAppSheetの価格表のページに行けます。
⇒「AppSheet公式価格表ページ(英語)」
なんとこのAppSheetはユーザーが10人までは無料で使えます。
ですのでユーザー数が10人以下の時は
AppSheetで超短期間にアプリを作成して運用できます。
しかし、無料ですとユーザー認証機能はないので、
機密性の高いデータを扱うアプリは避けた方が良いでしょう。
そしてユーザーの数が10人を超えたら基本プランで
一ユーザー当たり月額5ドルになります。(2022年1月現在)
そのままAppSheetの有料版にするか、
Microsoft 365に移行するかです。
次のリンクでMicrosoft 365の価格表のページに行けます。
⇒「Microsoft 365の公式価格表ページ」
Microsoft 365の中で月額540円のプランで
PowerAppsとSharePointが使える様になります。
それだとAppSheetと値段は変わらないのでマイクロソフト365に切替えて
PowerAppsでより業務に合うアプリに作り込んで、
マイクロソフトTeamsやSharePointなどのツールも使い始めて、
会社のDX化を更に進めるのも選択肢になります。
これらの価格やプラン内容は変わりますので、
公式のページでご確認下さい。
AppSheetを学び始めるなら今!
テクノロジーは常に進化していますね。
今まででしたら業務アプリを作ろうと思ったら
ITベンダーに頼んで価格が何百とか何千万円と掛かってました。
それでIT化を断念したり、
業務アプリを作るなど考えもしなかった分野も沢山あったでしょう。
しかし、このPowerAppsやAppSheetの出現によって、
そのハードルが格段に下がって、
仕事の現場の人が自分で使う業務アプリを
自分達で考えて自分達で作っていくので、
今までに無かった飛躍的な業務改善がなされていくのです。
ワクワクしますね。
このAppSheetはGoogleの最新の戦略サービスです。
これから普及するのは間違いないし、
今は新しすぎてあまりユーザーがいません。
これから学ぶにはちょうど良いタイミングです。
これからはPowerAppsだけでなく、
このAppSheetの情報配信もしていきますのでご期待下さい。
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