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NPV(正味現在価値)とIRR(内部収益率)の違いと使分け方【NPV、IRR、XNPV、XIRRエクセル関数】

    
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NPV(正味現在価値)とIRR(内部収益率)の違いと使分け方【NPV、I...

大きな投資の効果を計るのにNPVとIRRを計算して参考にします。それらの違いとどう使い分けるかを確認し、またエクセル関数のNPV、IRR関数の使い方の実演をする事で、皆さんもNPVやIRRを今日から実務で使えるようになります。

(動画時間:11:21)

NPV(正味現在価値)についてとNPV関数の使い方

 

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。

 

今日はこの動画リクエストからです。

NPVとIRRの違いの動画リクエスト

「NPVとIRRの違いは何でしょうか?ご教授頂けますと幸いです。」

 

Inoueさん、ご質問ありがとうございました。
以前配信した投資対効果とNPVという動画の
コメントでこのご質問を頂きました。
⇒「投資対効果を正味現在価値(NPV)を使って考える。【エクセルテンプレート】」

 

企業が設備投資や不動産投資など大きな投資をする時に
その投資が有効かどうかを計るのに
このNPVとIRRを計算して参考にするものです。

 

今日はそれらの違いを確認し、
またどちらもエクセル関数がありますので、
その使い方の実演をする事で、
皆さんもNPVやIRRを今日から実務で
使えるようになって頂きたいです。
まずはNPVとIRRの基本とそれらの違いについて話しましょう。

 

NPVとIRRの比較表を作りました。

 

NPVとIRRの概要比較

 

NPVは英語のNet Present Valueの頭文字で「正味現在価値」と言います。
NPVは将来のその投資による収入や支出を
割引率(金利)に応じて現在の金額に変換した金額から
今回行う投資金額を引いた金額になります。
割引率とは要は世の中の金利になります。

 

基本的にお金は金利分だけ増えていきますね。
例えば今日の100万円は金利が1%だと一年後には
100万円掛ける1.01で101万円になります。
見方を変えると一年後の101万円と
現在の100万円は同じ価値なのです。

 

この考え方で例えば今日株式に100万円を投資して
その株が一年後に120万円になり売ったとしたら
120万引く100万で20万円儲かったのでしょうか?

 

金利を考えるとそれよりも少し少なくなります。
一年後の120万円の現在価値は
それを1.01で割った118万8千円なのです。
「一年後の120万円の現在価値=120÷1.01=118.8」

 

それから今回の投資金額の100万円で引いたら
18万8千円で、これがNPVなのです。
「NPV=120÷1.01-100=18.8」

 

今度はこれをエクセル関数、NPV関数でやりましょう。
最初の引数は「割引率」でここで言う金利の1%です。
次の引数が「値」で、投資と収支のセルを参照します。

 

NPVの計算実演1

 

しかし、最初の投資も入れるとさっきの計算と合いません。
「手計算:18.8、エクセル結果:18.6」

 

NPV関数では選択した「値」は
各“期末“に発生する収支となるのです。

 

今回の場合、最初の投資は“期首“に行われるので
それを参照から外してこの関数の外で引きます。
「=NPV(1&,C8)-100」

 

すると一緒になりましたね。
NPVがプラスになるとその投資は有効と判断できるのです。

 

IRR(内部収益率)についてとIRR関数の使い方

 

また比較表を見てみましょう。

 

NPVとIRRの概要比較

 

NPVに対してIRRは英語のInternal Rate of Returnの頭文字で
「内部収益率」です。

 

さっきのNPV(投資の将来の収支の現在価値ー投資金額)が
0(NPV=0)となる様に計算した割引率がIRRです。

 

これがその投資の利回りになり、
その利回りが良ければいい投資と判断できるのです。

 

さっきのNPVの割引率は1%でしたが、
それをxとした時のNPVの式は
「NPV=120/(1+x)-100」で
これが0になる時のxがIRRです。
「NPV=120/(1+x)-100=0」

 

この式を展開してxを求めると、
x=20%になります。
だからIRRは20%となるのです。
つまりこの投資の予想利回りは20%で、
これを他の投資利回りと比べて良い投資かどうかを判断するのです。

 

エクセルにはIRR関数があり、
IRRも簡単に求められます。
第一引数の「範囲」で投資額と
その後の収支のセルを参照するだけです。
投資は支出としてマイナスにするのを留意して下さい。

 

IRRの計算実演

 

NPVとIRRを一緒に使った例

 

この様にNPV関数とIRR関数を使えば簡単に
NPVとIRRの計算ができるので、
自分がこれからやる投資に関してNPVとIRRを
両方とも計算して投資効果を検討すると良いでしょう。

 

一つ簡単な例をやってみます。
100万円の投資でその後
毎年20万円の収入がある案件があったとします。
この投資の各年のNPVとIRRを計算してみましょう。

 

NPVの計算実演2

 

まずNPVで、第一引数に割引率として同じ1%で、
第二引数に最初の年からの収支の累積を指定します。
「=NPV(1%,$M$22:M22)+$M$21」
最初のセル参照を絶対参照にして、
同じセルの参照ですがこっちは相対参照です。
これに投資金額を引き、これも絶対参照です。
これらの参照の仕方はこの式を下にオートフィルする為です。

 

因みにこの絶対参照、相対参照についての動画を以前作りました。
苦手な方はそちらの記事をご覧下さい。
⇒「エクセルのセルの絶対参照/相対参照とオートフィル機能【データ分析エクセルスキル】」

 

次にIRRで、今度は投資金額のセルを絶対参照にして、
最初の年を相対参照にします。
「=IRR($M$21:M21)」
それを下までオートフィルします。

 

結果を見ると6年目からNPVがプラスになるし、
IRRで見ても6年目から良い投資になるのが分かります。

 

NPVとIRRの実習結果

 

NPVとIRRの違い

 

まとめるとNPVは将来の収支金額を、
指定した割引率で現在価値に変換して、
投資金額と比べて投資案件の善し悪しを見る事です。
この時の単位は金額です。

 

対して、IRRは投資金額と将来の収支金額から
その投資の利回りを計算してその投資案件の
善し悪しを見る事です。
この時の単位は%です。

 

次にそれぞれの長所と短所を見る事で
NPVとIRRの違いをもっと理解してみましょう。

 

NPVとIRRの比較表 完成

 

NPVの長所は結果が金額で出て来る為、
各投資案件の効果の規模の違いが分かり理解し易い事です。
この部分がIRRの短所となって、
IRRでは結果がパーセント(%)だけなので、
投資規模が分からないのです。

 

今度はNPVの短所を見てみましょう。
パラメーターとして不確定である割引率を
自分で仮定して計算に入れなければならない事です。
1%の違いで結果が大きく変わってしまいますので
何%にするかが重要となります。

 

この部分が今度はIRRの長所になります。
IRRではその割引率を全く考慮しなくて済むのです。
IRRの結果は%なので投資案件を
収益率として比べる事ができるのです。

 

実はそれぞれもう一つ短所を持っています。
NPVだと長期的に見て良い投資案件の場合、
計算上それが良い結果として出難い事です。

 

IRRのもう一つの短所は投資後に
支出が多く出る場合にエラーが出てしまう事です。
この時にIRR関数の第二引数に「推定値」を入れる事で
エラーの回避ができますが、
エラーが出た時は結果は大きなマイナスだと考えれば良いでしょう。

 

投資と収支が不定期に発生する時に使えるXNPV関数とXIRR関数

 

これらの違いを考慮してNPVとIRRを
上手く使い分けて下さい。

 

NPV関数とIRR関数をご紹介しましたが、
これらの関数は毎年の収支が各年の末期に発生したと
仮定して計算をしています。

 

もし、収支が不定期でも各収支の発生した日時が
分かっている場合はXNPV関数とXIRR関数を使う事でより
正確にNPVとIRRを計算できるのです。
ちょっとやってみましょう。

 

不定期な投資と収支のNPVとIRRを計算する

 

上図の様な日付で不定期に投資や収支が発生したとします。
それぞれの収支でのNPVとIRRを求めてみます。

 

NPVにはXNPV関数を使います。
最初の引数は「割引率」でさっきと同じ様に1%を入れます。
次の引数は「キャッシュフロー」で
投資金額とその後の収支額のセルを選びます。
第三引数は「日付」で収支発生日のセルを選びます。
「=XNPV(1%,$C$35:C35,$B$35:B35)」

 

各引数の最初のセルを絶対参照にするのに、
キーボードのF4キー(Windowsの場合)を使うと
簡単に絶対参照に切替えられます。

 

IRRではXIRR関数を使います。
XNPVの第二、第三引数をそのまま使えますので
それをコピペします。
「=XIRR($C$35:C35,$B$35:B35)」

 

XIRR関数では第一引数の参照する値に
正と負の値が最低一つずつ必要なのです。
無ければエラーが出ます。そのエラーを気にせず、
XNPVとXIRRの式を下にオートフィルすると、
最後の収支でNPVが4万1千円になり(プラスになった)、
IRRが6%になりました。
この計画であれば良い投資という事になります。

 

XNPVとXIRRの実習結果

 

実務ではこのXNPVとXIRR関数の方が
使いかってが良いかもしれませんね。
しかもこっちは日付を使って日割りで計算しますので
もっと正確なNPVとIRRを計算してくれます。

 

お持ちのデータによって使う関数を使い分けて、
色んなパターンで投資効果のシミュレーションを
簡単にできますので、
ぜひこれらのNPVとIRRを活用してみて下さい。

 

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