業務改善と標準化を同時に実現:MS 365業務システム開発

プロジェクトの使い方、仕事で通常業務以外は全てプロジェクト!

  
プロジェクトの使い方、仕事で通常業務以外は全てプロジェクト!
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プロジェクトの使い方、仕事で通常業務以外は全てプロジェクト!

通常業務とプロジェクトの違いを検証し、プロジェクト運営の善し悪しが会社の成長に直結する事を理解し、プロジェクトマネジメントの超エッセンスであるプロジェクトの使い方の5ステップと便利なテンプレートを紹介しています。

(動画時間:9:29)

会社の課題は全てプロジェクトで解決する。

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。

僕はプロジェクトマネジメントの世界標準の
PMPの資格も持っているのですが、
日本ではプロジェクトマネジメントの重要度が
まだまだ一般的に理解されていないと感じています。

今日はプロジェクトは全ての会社で日々行われていて、
それをどう使って会社を成長させていくのかを議論します。

先日、あるクライアントさんとのオンライン会議で
最近の日本企業の関心事は何ですか?と聞きましたら、
「業務の見える化」、「合理化を進める」、「生産性を上げる」、
「賃金を上げる」、「付加価値を作る」
などを列挙して頂きました。
どれも今の企業の重要課題ですね。

それをお聞きして僕は
「それらは全て管理職、経営陣の仕事で、
どれもプロジェクトで行う仕事ですね」
と答えました。

経営者がプロジェクトマネージャーになると思うと
疑問に思われる方もいるでしょう。
管理職以上の人にとってプロジェクトマネジメントスキルは必須、である事と、
それを先ほどの課題でどう使うのかも後でお話します。

まずは通常業務とプロジェクトの関係から話しましょう。

通常業務とプロジェクトの違い

PMPの教科書PMBOKによると僕らがやっている仕事は全て
「通常業務」か「プロジェクト」に分けられるのです。

まず、「通常業務」はやる事が決まっていて、
日次、週次、月次などの周期で繰り返しやる仕事であり、
その周期は終る事がないのです。

多くの人の仕事はこの通常業務ですね。

それに対して、「プロジェクト」ですが、
なんと通常業務以外の仕事は全てプロジェクトなのです。
はっきりした違いはプロジェクトには必ず始まりと終わりがある事で、
通常業務の様に繰り返し行う事はないです。

そう考えると、例えば上司から臨時で何か仕事を頼まれたら
それはプロジェクトになるのです。

僕が専門の業務改善活動もプロジェクトですし、
対象業務を明確化して「通常業務」を改善する事なのです。

プロジェクト運営の善し悪しが会社の成長に直結する。

僕のクライアントさんが言っていた
「業務の見える化」、「合理化を進める」、「生産性を上げる」などの活動は
その状態にさせる活動で、始まりと終わりがあるので、
通常業務ではなく、全てプロジェクトです。

その結果として関係する各通常業務が改善されて
そのプロジェクトの目的達成を目指すのです。

つまりプロジェクトによって業務改善や働き易い職場の実現、
顧客満足度を上げたりして、最終的に会社の成長にも繋がるのです。

それではそれらの仕事は誰がやるべきでしょうか?
通常業務で忙しい一般従業員の責任ではないですね。
それなりに権限を持っていないと難しいので、
やっぱり管理職や経営陣が率先してやるべきなのです。

実際に会社では上級職になるほどプロジェクト的な仕事の割合が増えます。
管理職になっても通常業務に追われて
プロジェクト的な仕事ができない状態ではその会社は成長できません。

逆に管理職や経営者はそれらのプロジェクト的な仕事を効率的に、
成功確率が上がる様にする必要があります。

そこで英語圏ではプロジェクトマネジメント手法や
プロジェクト支援体制がとても良く整備されています。

例えば前述のPMPは米国発祥でプロジェクト手法の体系化、
標準化を長年やってきて全世界に普及しています。

また、プロジェクト憲章やガントチャートなど
プロジェクトで使えるツールは沢山あるのですが、
それらのテンプレートは無料でダウンロードして使えるのです。

テンプレートはノウハウが詰まっていて、
そこから始めるのと自分で一から書くのでは
雲泥の差があるのは一目瞭然ですね。

僕がこのチャンネルを始めた7年前は
その様な日本語のテンプレートはほとんどなく、あっても有料でした。
これではいけないと思い無料のテンプレートを作って公開を始めたのです。

このページ上部の「無料ダウンロード」タブをクリックすると
カテゴリ別にテンプレートが並んでいて、
無料でダウンロードできます。
また各テンプレートの使い方動画もありますので、
これらを使って効率的にプロジェクト運営をしてみて下さい。

(下の表からでも各テンプレートのダウンロードセクションに飛べます。)

カテゴリツールとテンプレート
プロジェクト選定市場ポジショニング                        SWOT分析マーケティング分析             
 
VOC行列図
定義段階プロジェクト憲章                           WBS – 作業分解図ガントチャート        

ステークホルダーマネジメントCTQツリー分析             リスクマネジメント
QC7つ道具管理図                                            フローチャートヒストグラム                 
             
特性要因図パレート図                             散布図
新QC7つ道具親和図法
業務フロー分析SIPOC分析                                     物と情報の流れ図サイクルタイム計測           
          
なぜなぜ分析・5-How分析ゲージRR分析
TPSツール5Sプロジェクト支援ツール             A3報告書標準作業票;           
                    
標準作業手順書
その他ブレインストーミング                     8D 問題解決手法職務分析;                 
                
プロセスFMEA

超エッセンス、プロジェクトの使い方

それでは先ほど出てきた「業務の見える化」などの課題のプロジェクトを
どのように行っていけばいいのでしょうか?

今日は細かく話しませんが、
共通する大きな流れだけをご紹介します。

1)優先順位を考えてこれから実施するプロジェクトを定義する。

まずはこれから行うプロジェクトを明確にするためにプロジェクトを定義します。
それにはプロジェクト憲章を書くと良いでしょう。
⇒「プロジェクト憲章の書き方【エクセルテンプレート】 プロジェクトの企画書」

テンプレートを使わなくても文章化する事が大事で、
プロジェクトの5W1Hを書けばいいのです。

つまりなぜこのプロジェクトを行うようになったのか、
誰が、いつからいつまでに、どの通常業務について、
どの様に何をするのかを書いて明確にします。
この作業によってやる事がはっきりしますよね。

  • なぜ(Why)?
  • 誰が(Who)?
  • いつからいつまで(When)?
  • どの通常業務について(Where)?
  • どの様に(How)?
  • 何をするか(What)?

例えば最初に列挙した課題は沢山ありました。
それらを一度に全てやる事は無理です。
そこで優先順位を作って、一番インパクトがあり、
実現可能な課題を一つ選ぶ事になります。

ここでは「業務の見える化」としましょう。
この課題の5W1Hを書いていくのです。
どの通常業務を対象にするかもはっきりさせます。

2)WBSとガントチャートでプロジェクトスケジュールを書く。

次にさっき決めた目的を達成するための
プロジェクトスケジュールを立てますが、
これにはWBS、作業分解図を作ります。

その為のテンプレートと動画もあるのでご活用下さい。
⇒「WBSテンプレート:作業分解図の書き方、【エクセルテンプレート】」

上図がそのテンプレートですが、
これにより、プロジェクトのマイルストーンを書き出していき、
各マイルストーンで作成する成果物と、
それを作成するためのタスクを書いていきます。

このWBSを作るともっと細かいスケジュールを立てる
ガントチャートの準備にもなります。

有料になりますが、WBSからガントチャートを
自動で作成できるテンプレートもあります。
⇒「WBSから自動でガントチャートが作れちゃう【エクセルテンプレート】」

3)対象通常業務の新しい「あるべき姿」を設計する。

おそらく初めての方はWBSでマイルストーンを
考えるのが少し難しいと思います。
そこで、マイルストーンの最初の段階で対象業務の
「あるべき姿」を議論し決める事をして下さい。

例えば「業務の見える化」ですが、
憲章で書いた目的目標を達成できる「業務の見える化」が
完成している状態を絵的に思い描くのです。

どのタイミングでどの人がどんな情報を見えてなくてはいけないか、
どんなツールを使うのかなどです。
その様に「あるべき姿」を設計するのです。

4)現時点から「あるべき姿」にどの様に移行するのかの移行計画を作成する。

「あるべき姿」が設計できたら現状とのギャップがあるわけですね。
ですから次にそのギャップをどう埋めるか、
どう「あるべき姿」に移行するかの移行計画を作成する事を
その後のマイルストーンで書くのです。

最初の段階で後半のマイルストーンや成果物、タスクを
正確に書けなかったり、全く書けない時もあります。
その時は書けるだけ書いて、そのプロジェクトを開始して下さい。

5)スケジュールを実施し、進捗を管理しPDCAを回してプロジェクトを成功させる。

最後のコツで進捗を管理してPDCAサイクルを回して
プロジェクトを完成させます。

僕のWBSとガントチャートにはその進捗管理ができる機能が付いていて、
各タスクの達成度を記録しながら
必要があればタスクや成果物の変更もします。

また最初に書けなかった項目もプロジェクトが進むにつれて書ける様になるのです。

これらの手順を踏んでプロジェクトを完了したら
課題の解決ができてしまうのです。
どうですか、ただ漠然と「業務の見える化をしなくちゃいけないな」と
思っているだけでは未達100%です。
それをプロジェクトにする事で先に進めるのです。

PMPやリーンシグマではもっと細かい手順やツールが沢山ありますが、
今日ご紹介した事はそれらの一番重要なエッセンスであり、
これだけやって頂いても課題への取り組みが進み
成功率は必ず上がりますのでぜひ実践してみて下さい。

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