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ERP、SCM、CRM、MES、PLM、体系的に理解する

    
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ERP、SCM、CRM、MES、PLM、体系的に理解する

ERP、SCM、CRM、MES、PLM、MRP、QMS等のビジネスでよく耳にする英字3文字言葉の概要とそれらを体系的に理解でいます。更にこれらの言葉全てがQCD(品質、コスト、納期」が目的なのが分かるのです。

(動画時間:9:21)

製造部門から始まったシステム作り、MRP(資材所要量計画)、MRPⅡ(生産資源計画)

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。

今回はこの動画リクエストからです。

MRP動画リクエスト

「MRPについての説明動画が欲しい」

TTさんリクエストありがとうございました。

ビジネス界ではこのMRPの他に
ERP、MES、SCM、QCDなど英字3文字の言葉が
本当に多いです。

それぞれで動画が作れる内容ですか、
今日は簡単にそれらを関連付けて体系的に
理解してみようと思います。

更にこれらの言葉全てが一つのキーワードが
目的なのが分かるでしょう。

まずご質問のMRPですが、
それは「Material Requirement Planning」の略語で
日本語では「資材所要量計画」です。

製造において部品や原材料の必要数量を分析して
発注計画を立てる事です。
それを行うITシステムを指す時もあります。

MRPは1970年代から普及していて、歴史がありますが、
その後多くの進化を遂げています。

すごく簡単に言うと過去の売上量から
今後の売上量を予測して、
現在の在庫量や安全在庫量を考慮して
部品や原材料の発注量を計算する方法です。

この部分だけだったら今でも多くの会社で
エクセルでやっていますね。
前に「適正在庫量と、適正発注量の計算の方法」
と言う動画を作りましたので、
次のリンクからご覧になってみて下さい。
⇒「適正在庫からの適正発注量の計算の仕方【サンプルファイル付】」

MRPでは部品と原材料だけが対象で、
それで在庫の管理はできる様になりましたが、
対象を製造や出荷の部署にまで広げて
お客様への納期も管理できる様にする
仕組みが必要でした。

その仕組みを「Manufacturing Resource Planning」
「生産資源計画」で実現したのです。

略語が同じMRPなのでMRPⅡと言います。
これで「生産計画」、「人員計画」、「物流計画」
までできる様になったのです。

QCD(品質、コスト、納期)は全ての業界の企業活動で最重要なKPI

ここでもう一つ製造業で重要な
三文字言葉をご紹介します。

それはQCDで、「Quality、Cost、Delivery」の略語で、
それぞれ「品質、コスト、デリバリーつまり納期」です。

これは製造業だけでなく、
本質的には全ての業界の企業活動で
最重要なKPIを表します。

この順番も大事で、

  1. 品質が良い事、
  2. コストが低い事、
  3. 納期がちゃんと守られる事

の順番で大事な事を表しています。

品質に関しては一言説明が必要で、
高品質、高機能なほど良い
と言うわけではありません。
高機能でも対象マーケットが
求めていなければ売れません。

ですから品質とは対象マーケットが求めている
品質や機能、またその値段に
合致させるという事です。

品質が上がり、コストを下げて、
納期を守れる様になれば当然売上が上がり、
利益も上がります。

このQCDが最初に言っていた今日のキーワードです。
この後ご紹介する全ての概念は
会社のQCDを改善し、売上を上げ、
利益を最大化させるための概念なのです。

さっきのMRPをQCDの概念から見てみましょう。

QCDから見たビジネス手法1

上図の円で各QCDの領域を表しています。
最初のMRPで在庫を管理して
無駄な「コスト」を減らしました。

次のMRPⅡで人件費の管理もできるので
更なるコスト減ができるし、
「納期」の管理もできる様になったのです。

ここで品質の管理が必要なのが分かりますね。
そこでQMSが出てきたのです。
これは「Quality Management System」の略語で
「品質管理システム」です。

QCDから見たビジネス手法2

システムと言っていますが、
ITシステムと言うよりも、
不良品を出さない事は当然ですが、
顧客満足を上げる品質を目標とした
管理体制の事です。

更に発展し、ERP(企業資源計画)、SCM(サプライチェーンマネジメント)へ

これらは主に製造部門を対象にしていましたが、
IT技術の発展でそれを
財務、会計、購買、人事の領域まで拡大し、
会社の全ての部署を対象とした基幹システムとなる、
ERP、「Enterprise Resource Planning」、
日本語では「企業資源計画」が登場します。

これは主にITシステムの事を指しますが、
これにより、ヒト、モノ、カネ、情報の経営資源を
一つのシステムで管理できる様になったのです。

色んな所で取得したデータを
他の部署で使える様になるので
画期的な経営効率の向上が果たされたのです。

しかし、国際競争の時代になって、
社内だけの効率化だけでは
競争に勝てなくなってきました。

そこで、SCMが産まれたのです。
これは「Supply Chain Management」で
直訳すると「供給連鎖管理」です。

これまでは原料を調達してから、
商品を生産してそれを販売するまでの
社内の効率の最大化が対象で、
それをERPで達成してきました。

それを部品や原材料のサプライヤーから
商品が最終消費者に届くまで全てを
サプライチェーンと呼び、
全体の流れを統合的に見直し、
全流通でのQCDを向上させる概念や手法が
サプライチェーンマネジメントであるSCMです。

ERPとSCMの違い

一部ではSCMのITシステムもありますが、
ERPが対象とする社内業務と違って
サプライチェーンは対象が広いし
多様なのでなかなか中小企業では普及していません。

しかし、サプライチェーンマネジメントの
経営管理手法の部分は活かせる部分が沢山あります。
⇒「もう二度と失敗しないSCM完全ガイド」

全部署的にITシステムの活用が進む。PLM、MES、CRM

これまではMRPからSCMまで
対象範囲が広がってきた話でした。

ERPでは会計情報を主に扱ってきましたが、
ITの進化でそれ以外のデータも扱える様になったので、
各部署でのITシステムの活用が
ものすごく進んでいます。

各部署でどの様な三文字言葉があるか見てみましょう。

例えば商品開発/設計で使われているのが
PLMで「Product Lifecycle Management」で
「製品ライフサイクル管理」です。

各部署へのIT技術の活用

昔の大量生産時代と違い、
今は少量多品種生産時代です。

またエコロジーの時代で、
売って終わりではなく、
消費者がその商品を使い終わって廃棄するまでを
考えないといけない時代です。

PLMで商品の企画設計から消費者が使用し、
廃棄するまでの情報を一元管理して、
あらゆるムダをなくし利益の最大化を狙っているのです。

特にIoT技術により得られたデータを有効利用するために
今このPLMがとても注目を浴びています。

例えば今までは工場の機械などで問題が発生し、
顧客から連絡が来て初めてメーカーは対応していました。

しかし、今はIoTで日々の稼働データを監視して
問題が顕在化する前に対応できるのです。
そういう設計をするのにPLMが活かされているのです。

次に製造現場ではMES、
「Manufacturing Execution System」で、
「製造実行システム」があります。

各部署へのIT技術の活用2

昔のMRPⅡは生産計画、人員計画ができましたが、
このMESでは生産工程の可視化や
作業者への指示や支援を行い、
製造現場における人、モノ、設備の活動の
リアルタイムの管理により
継続的なQCDの改善ができる様になりました。
MESはよく製造部門のERPと言われます。

最後は販売部門で使われるCRM、
「Customer Relationship Management」で、
「顧客関係管理」があります。

各部署へのIT技術の活用3

QCDの改善によって
良い商品やサービスができる様になっても
それを顧客に伝えて売上が上がらないと
利益の最大化ができません。

沢山ある商品の中から各顧客に合った
商品やサービスを提供するために
各顧客との関係を深めて本当のニーズを知り、
色んなチャネルで商品を売る
手法とITシステムがCRMなのです。

最近ではこれらのシステムは
AIやIoTの活用で更に進化しています。

昔はこれらのシステムを導入する時に
自社サーバーを置いたり、
IT管理ができる人材を置く必要があり、
初期投資と維持費が莫大でしたが、
今はクラウドベースでその敷居は
大分低くなっいます。

しかし、それらのシステムを導入したら
成功できるわけではありません。

  1. 自社が目指しているビジョンと
    中長期の戦略をちゃんと持ち、
  2. その為に何をしなければいけないのか、
  3. それを実現するためにこれらのシステムを導入する

という順番で考えていけば、
どの様なシステムを入れる必要が
あるかが見えてきます。

僕は企業の皆さんにそれをする
お手伝いをしていますので、
ぜひ一度お問い合わせ下さい。

<<業務改善コンサルのお問い合わせ>>
https://econoshift.com/ja/contact-2/

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