業務改善と標準化を同時に実現:MS 365業務システム開発

MS Accessの終焉?代替はデスクトップでのPowerApps【PowerApps+MS Teams】

    
MS Accessの終焉?デスクトップでもPowerApps【PowerApps+MS Teams】
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MS Accessの終焉?代替はデスクトップでのPowerApps【Po...

「MS アクセスが無くなる?」という噂の真相を説明し、完成アプリの展開の難易度を比較して、Power AppsとマイクロソフトTeamsの連携を使ったらデスクトップで使うアクセスの後継になれる事の説明をしています。

(動画時間:10:13)

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 「マイクロソフトアクセスが無くなる?」という噂の真相

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。

今日の動画のタイトルに
「マイクロソフト Accessの終焉?」と入れて、
煽るようなタイトルですが、
マイクロソフトアクセスの話から始め、
メインはPCのデスクトップでも
PowerAppsが大活躍する時代が来るというお話です。

まず、そのマイクロソフトアクセスですが、
実は英語圏では
「そのサービスが終了するのではないか?」
という噂はここ数年上がっています。

実際に「MS Access Future」でネット検索すると、
その噂を検証しているページが上位検索されます。

「MS Access Future」でのネット検索

それらの論調はどれもアクセスを擁護するもので
アクセスがすぐに終わる事はないという事が書いてあります。

アクセスは1992年に登場して、
簡単に小規模のデータベースと
業務システムが作れるという事で
恐らく使われている業務システムの数で言ったら
今でも世界最多になるでしょう。
これだけ使われているのでマイクロソフトも
そのサービスを終了する事はできないのです。

ではなぜその様な噂が出てきたのでしょうか?
それはもちろん時代のIT環境の変化です。
今では各個人は複数の端末を使いこなし、
どこでもどの端末でも使いたいというニーズが出てきました。

アクセスもそのニーズに答えて
Access Web Appという
クラウドサービスを始めたのです。

新しい Web アプリや Web データベースに
Access Services を使用することはお勧めしなくなりました。

「SharePoint ロードマップの Access Services」マイクロソフト公式ページから

ところが、上の引用はマイクロソフトの公式ページからですが、
マイクロソフトがそのサービスの更なる開発を止めて、
その役割をPowerAppsに後継させると発表したのです。

Access Web アプリと Web データベースの代わりに、
Web およびモバイル デバイス用のコードなし
ビジネス ソリューションを構築するために 、
Microsoft Power Apps を検討することをお勧めします。

「SharePoint ロードマップの Access Services」マイクロソフト公式ページから

このニュースのインパクトは大きくて、これから
「マイクロソフトはアクセスを終わらせる」
と言う噂が多く流れたのです。

しかし、実際にはWeb上で使わずに
ローカルのパソコンで使う今の使い方での
アクセスの開発は続けています。
ですからさっきの噂の真相は
半分正解で半分不正解っという事です。

将来のアクセスの後継はPowerApps+MS Teams?

ここからは僕の主張になりますが、
アクセスが誕生してもうすぐ30年になります。
その間多くの改良はされてきましたが、
基本的なスタイルと設計思想は変わっていません。
前述の様にクラウドサービスに対応しようとしましたが、
古い設計思想では上手くいかなかったのです。

その間にエクセルの機能が拡張されてきて
アクセスの存在感が薄くなってきているのは事実です。
それを詳しく説明した動画を以前作りました。
⇒「業務システムはエクセルかアクセスどちらを使うか?またエクセルの重くて遅いの解消法。」

僕が思うに、
「発展の伸びしろが少ない
アクセスの開発を止めたいが、
ユーザー数がまだまだ多いのでやめられない」
がマイクロソフトの本音だと思います。

そこでアクセスに変わるサービスを育てて
大部分のユーザーがそっちに移行してから
アクセスを止めるのだと勝手に想像しています。

そこで出てくるのがAccess Web Appの
公式後継のPowerAppsです。

しかし、そのニュースが飛び出した時に
多くの人が言ったのが
「Power AppsはAccess Web Appの代わりにはなっても、
PCでの使用には圧倒的に機能が足りなくて
Accessの代わりにはならない」
という事でした。正直当時は僕もそう思いました。

しかし、その後のPowerAppsの進化は著しく、
委任機能の強化、レスポンシブ対応、
印刷機能の強化等がされてきました。
それぞれの詳細は今回はやりませんが、
それによりPCでの使用に足りうる様になってきたのです。

そして最終形はPowerAppsと
マイクロソフトTeamsの連携です。
このマイクロソフトTeamsについてもシリーズ記事を書きました。
⇒「Microsoft Teamsの本質とMicrosoft 365の他のツールとの違い」

Teamsを職場の仲間で使い始めると
グループチャット、ファイルの共有、
ビデオ通話まで簡単にできるので、
Teamsを開いてる状態で毎日仕事をする様になります。

そしてこのTeamsには沢山のアプリを
固定表示させる事ができるのです。
PowerAppsで作ったアプリも
もちろん固定表示できます。
その方法をご紹介します。

まず、そのアプリを表示させたい
チームのチャネルを表示し、
メニューバーの「+」サインの
「タブの追加」をクリックします。(下図参照)

MS Teams タブの追加

そして「Power Apps」で検索してそれを選び、
次の「追加」をクリックすると
自分が作ったアプリの一覧が出てきて、
固定表示させたいアプリを選び、「保存」をクリックするのです。

MS Teams 追加されたタブ

すると、チームメンバーはこのチャネルに来れば
いつでもこのアプリを使い始められる様になるのです。
同じチャネルに更に他のアプリも追加できるし、
他のチャネルに違うアプリの追加もできるので、
多くの必要なアプリを直ぐに開けられる状態にできるのです。

アクセス、PowerApps、PowerApps+Teamsの展開方法の難易度の違い

どのコンピューター言語で作ったプログラムも
それを作った後に社内のユーザーに
どれだけ楽に展開できるかが重要です。

例えばエクセルだったらすでにどの社員の
PCにもインストールされているので、
(展開前の準備)

エクセルで作ったプログラムファイルを
ユーザーに送るだけでそのプログラムを使い始められるのです。
(共有方法)
この手軽さがあるから今でもエクセルは強いのです。

しかし、そのプログラムを改良した時には
そのファイルを配り直さなければいけないし、
(再配布とバージョン管理)
全員に最新版をいつも使ってもらう
状態にするのも結構大変です。

この展開の難易度をアクセス、PowerApps
そしてPowerAppsとTeamsの連携の場合で比べてみましょう。

完成アプリの展開の難易度の比較1

アクセスの展開前の準備はエクセルと違って
一般ユーザーのPCにアクセスは入っていないので、
全ユーザーのPCに無料のアクセスRun Timeという
ソフトをインストールする必要があります。
(展開前の準備)
WindowsのバージョンやBit数を確認
しなければいけないので結構大変な作業です。

共有方法はエクセルと同じで、
作成したアクセスファイルを送り
ユーザーはPCにそれを保存して使い始めます。

再配布とバージョン管理もエクセルと同じで
かなりユーザーに依存しなければいけません。

完成アプリの展開の難易度の比較2

Power Apps単体で使う場合は
Webベースのブラウザーでも使えますが、
使用頻度を考えると最初にPower Appsの
アプリをインストールする必要があります。

共有方法はいたって簡単で開発者側で共有作業をするだけです。
ユーザーはPower Appsアプリを開くだけです。

再配布とバージョン管理も簡単で開発画面で
「公開」ボタンをクリックして、
ユーザー側は「再読み込み」のアイコンをタップするだけです。

完成アプリの展開の難易度の比較3

これがTeamsとの連携ですと、先ほど書いた様に
Teamsが使える状態にあれば
展開前の準備は何もする必要がありません。

残りの共有方法と再配布に関しては
その前のPower Apps単独と同じです。

その他のPowerAppsとMS Teamsの連携の利点

この様にPowerAppsとTeamsの連携だと、
とにかく展開が速いし楽なのです。
ユーザーは新規に増えたり減ったりするので
この利点はかなり大きいです。

更にその他の利点も多くあります。
先ほど触れたレスポンシブでアプリを作ると
そのアプリを携帯端末で見たりPCで見たりした時に
自動でその端末の画面のサイズと向きで
最適な表示をしてくれるのです。
これについては将来の動画でご紹介します。

また、携帯アプリと違ってフォントの大きさを
それほど大きくする必要もなく画面を横長にして表示できるし、
画面右上の「タブを展開」アイコンをクリックすると
簡単に全画面表示にして沢山の情報を載せられます。

MS Teams タブを展開アイコン

もちろんユーザーからの入力情報をデータベースに保存したり、
それによって表示データを変えたり、
また印刷ボタンを作って画面を印刷する事や
Power Automateを使ってそのデータをエクセルファイルに
エクスポートする事もできるのです。

どうですか、Power AppsとTeamsの連携で
アクセスの機能を満たす事ができると思いませんか?
もし何かできない機能があれば
それは全てエクセルで補完できます。

そしてPower Apps開発の最大の利点は
開発期間が大幅に短縮できる事です。
僕は長い事エクセルで業務システムを作ってきましたが、
今はこのPowerAppsとTeamsの連携がメインです。

エクセルだと全ての部品の機能を
自分で作らなければいけないですが、
PowerAppsでは業務アプリに必要な部品が
最初っから用意されてますので完成速度が数倍は速いです。

また設計思想自体がアジャイル仕様ですので、
簡単に画面の作成と機能の動作を見せられる状態にできますので、
作りながらエンドユーザーに見せて
フィードバックをもらって開発ができます。
これで過不足ないアプリを短期間で作る事ができるのです。

ここでカギとなるのは社内でどれだけ
Teamsが普及しているかでしょう。
今は過渡期ですが、僕の中学生の娘達も毎日
Teamsを使って授業を受けてますので
彼女達が社会人になる頃にはTeamsを中心に
仕事をする様になっているでしょう。
その時には沢山の業務システムは
Power AppsとTeamsの連携でできていると思います。

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