PowerAppsのデータベースに最適。SharePointリストより便利なMicrosoft Listsの使い方
Microsoft Lists(MS Lists)とは何か?手軽にPowerAppsのデータベースとして使えてSharePointリストと比較してご紹介します。
(動画時間:8:07)
マイクロソフトリスト(MS Lists)とは何か?
こんにちは、リーンシグマブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。
皆さん、MS Listsってご存知ですか?
その中身はSharePointリスト(SPリスト)と同じなのですが、
PowerAppsなどのアプリのデータベースとして使う場合、
このMS Listsの方が手軽に使えてすごく便利なのです。
今回はSPリストとどう違うのかと便利な使い方をご紹介します。
もしマイクロソフト365(MS 365)をお使いであれば
そのアカウントのホームからいつでも使えます。

上図がMS Listsのトップページですが、
よくエクセルファイルを共有フォルダーやOneDriveに保存して、
皆でデータを書き込んでそれをデータベースとして使いますよね。
その様な働きをこのMS Listsでできるのです。
画面上部の「新しいリスト」をクリックして、
MS Listsには下図の様に沢山のテンプレートが用意されていて、
そこから直ぐに使い始める事ができます。
一つ選んでみましょう。すると中身はSPリストそのものなのです。

次の章で詳しく通常のSPリストとの違いをご紹介しますが、
一番大きな違いは、SPリストは必ずSPサイトと一緒に存在しますが、
このMS Listsのリストは単体で存在します。
もしサイトを使わずにPowerAppsのデータベースとしてだけに使うのであれば
このMS Listsが手軽に使えるのです。
なぜMicrosoft Listsが良いのか?他のデータベースとの比較
次に他のデータベースとの比較ですが、
MS 365プラットフォームで追加料金なしで使えるものと比較します。
一つは「MS TeamsからのSPリスト」で、
Teamsでチームを作成すると自動でSPサイトが作成され、
そのサイト内で作ったSPリストの事です。
次が「SPサイトからのSPリスト」で、
マイクロソフトアカウントのトップページから
「SharePoint」のホームでTeamsからは独立させてSPサイトを作成して、
そこからSPリストを作成できます。
そして最後に今回ご紹介した「MS Listsのリスト」です。
この三つの長所と短所を比べてどう使い分けたら良いかを考えてみましょう。
この他にDataverse for Teamsも追加料金なしで使えますが、今回は割愛します。

「MS TeamsからのSPリスト」では、
ユーザーのアクセス権がTeamsのチームの参加メンバーと連動するので、
ユーザーのアクセス管理が楽です。
その他の長所は作ったアプリをTeams内に貼り付けられるので
ユーザーの利便性を上げられます。
しかしこれには一つセキュリティの問題があります。
もうご存知な方もいるかもしれませんが、
MS Teamsのチームの画面から、上部の「ファイル」タブ、
そしてメニューバー内の「…」から「SharePointで開く」をクリックすると(下図参照)
そのSPサイトが開いて、左のペイン内の「サイトコンテンツ」から、
作ったSPリストの一覧が表示されてアプリのデータベースに
簡単に到達できてしまいます。

アプリ開発中はこの機能は便利なのですが、
もしアプリユーザーがこの方法を知っていれば
誰でもデータベースに到達できてしまい、
しかも編集権限があるのでマニュアルで直接編集ができてしまうのです。
これだと漏洩のリスクとデータの改ざんリスクがあるのです。
ですから短所として、「SPリストにユーザーが直接到達できてしまう」という事です。
次に「SPサイトからのSPリスト」を考えてみましょう。
ユーザー数が多くてSPサイトを掲示板として使う時はこの方法は便利です。
しかし、SPサイトを開くと「サイトコンテンツ」が見えて、
先ほどの「SPリストにユーザーが直接到達できてしまう」
という問題が残ってしまいます。
そしてユーザーのアクセス管理はこのSPサイトでやる必要もあります。
もし純粋にPowerAppsのデータベースとして使うだけで、
Teamsの機能やSPサイトの機能がいらないという場合は
今回のMS Listsが最適で、先ほどのセキュリティの問題も解決できるのです。
実際にその様な場合がほとんどではないでしょうか。
このMS Listsのセキュリティの状況を考えてみましょう。
まず、作ったリストはアプリに繋げるだけなので、
URLを渡さない限りユーザーはリストに到達できません。
後でお見せしますが、MS Listsのリストは
社内の全員に共有する設定にできます。
そしてユーザーのアクセス管理はPowerAppsの
共有機能だけで管理をすると楽なのです。
もし機密性が高いデータを扱うアプリの時は
URLが万が一流出してもデータを守る事ができる様に、
個別に制限を掛けた方が良いでしょう。

この方法の短所はこのサービスは比較的新しい為か
多少使い勝手が悪い時もあります。
Microsoft Listsのデータベースとしての設定
次に実際にMS Listsの作成をお見せします。
MS Listsのトップページの上部の「新しいリスト」をクリックして、
次の画面で「空白のリスト」をクリックします。
下図の様な次の画面で任意のリスト名を入れて、
その下に「保存先」とありますね。既定では「マイリスト」です。
その他の選択肢は全てご自分が作った、
もしくはアクセス権のあるSPサイトです。

他のサイトを使ってリストのカテゴリー分けをしたいところですが、
もしそのサイトがTeamsのチームで自動作成されたサイトなら、
そのチームから簡単にそのリストに到達できてしまいます。
ですから基本的に既定の「マイリスト」に保存しましょう。
ここから先はSPリストと全く同じで、同じ様に使えます。
最後にこのリストへのアクセス権の共有について見てみましょう。
画面右上の設定アイコンをクリックし、「リストの設定」を選びます。

次の画面で「このリストに対する権限」の上で右クリックして、
新しいタブで開くのお勧めします。

次の画面のメニュバーで「アクセス許可の付与」をクリックし、
次の小画面の検索ボックスでご自分の会社名などのドメイン名をタイプすれば、
「Members」とか「Everyone except external users」などの
選択肢が出てきますのでそれを選びます。(下図参照)

するとそれで社内のユーザーは全員このリストにアクセスできる様になります。
リストのURLをシェアーしない限りこのリストへは到達できません。
もし機密性の高いデータを扱う場合は煩雑になりますが、
この選択肢を使わずに個々のユーザーへの共有作業をした方が良いでしょう。
その辺は会社で相談して判断して下さい。
このMS Listsはとても手軽に使えるので
僕は最近のアプリ開発では全てこれをデータベースとして使っています。
皆さんも一回使ってみて下さい。
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