【事例紹介】無料でここまでできる!Google AppSheetで受注管理システムを作りました。
APIで受注データを取得して、Googleシートとユーザーが10人以下なら無料で使えるGoogle AppSheetを連携させた受注管理システムをご紹介します。
(動画時間:6:24)
ユーザーが10人以下なら無料で使えるGoogle AppSheet
こんにちは、リーンシグマブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。
最近ネット販売業をしているクライアントさんからのご依頼で
受注管理システムを作りました。
従業員は数人なので有料のMicrosoft 365は
使わずにできないかというご相談でした。
そこで、ユーザーが10人以下なら無料で使える
Google AppSheetを使って開発をしました。
この記事ではそのシステムをご紹介して、
飛躍的な業務改善の新たな可能性を知って頂ければと思います。
AppSheetはGoogle版のPowerAppsみたいな立ち位置で、
以前紹介動画を作りましたので
次のリンクからご覧になってみて下さい。
⇒「無料で業務アプリが作れるGoogle AppSheetとは?MS PowerAppsとの違い。」
そのクライアントさんはネット販売プラットフォームの
Shopifyを使ってビジネスをしています。
今までそのプラットフォームから受注した注文データをCSVでダウンロードして、
エクセル上で手作業で集計をしてその数を納入業者に発注をされていました。
その作業を改善するのが今回のテーマです。
Googleシートは拡張機能が豊富
ShopifyにはAPIがありまして、それを使って、
受注データを直接Googleシートにダウンロードする事ができます。
それには無料で使えるAPI Connectorという
Googleシートのエクステンションを使いました。
このAPI Connectorの使い方の動画も以前作りました。
⇒「GoogleシートでAPIデータを取得してエクセルで使う【Stripeデータ事例:API Connectorアドオン使用】」
上図が今回作成したGoogleシートです。
英語で申し訳ないですが、左上に使い方が書いてあり、
メニューバーの「拡張機能」、「API Connector」で
「Refresh All Now」を選ぶだけでShopifyサイトから
全ての最新データをこのシートに持って来れます。
これだけでもかなり喜んで頂けました。
しかしこのダウンロードされたデータの構造では
AppSheetでは使えませんでした。そのデータを
- 商品データベース、
- 注文データベース、
- 注文詳細データベース
に分ける必要があります。
そこでGoogleのプログラム言語である
GAS(Google Apps Script)を使ってコードを書いて、
ボタンを押せばダウンロードされたデータを
さっきの3つのデータベースに適宜追加できる様にしたのです。
ちなみにメニューバーの「拡張機能」、「Apps Script」から、
次に表示される画面でそのGASのコードを書いて、
ボタンに「スクリプトを割り当て」をするだけで、
そのボタンにその機能を持たす事ができます。
Googleシートには他にも沢山の拡張機能があって
色んな業務改善ができると思います。
AppSheetのテーブルでのデータ表示
そして上図が今回お作りしたAppSheetで作った
発注管理アプリの「発注画面(Ordering)」です。
このサービスはインターネットのブラウザだけで使えるので、
そのURLをユーザーに送るだけで
簡単にシステムの展開ができて便利です。
今回は英語表示ですが全て日本語で
アプリを作る事も勿論できます。
また上図は同じ画面をスマホで見た時で、
同じアプリがユーザーが使う端末によって
使い易い画面に自動で切り替わってくれるので、
端末毎にアプリを作る必要がありません。
この辺はPowerAppsより優れています。
PC版だと画面左、スマホ版だと画面下にアイコンがあり、
それを押す事で他の画面に切り替えられます。
次の画像が「商品一覧画面(Product Master)」で、
そして下図が「注文一覧画面(Order Summary)」で、
一つクリックすると、
その右にその注文の詳細を表示します。
今回は仕様的に新規データは全てAPIでもってきますが、
この画面から新規データの追加や編集も勿論できます。
また、発注画面に戻って、
「Open API Sheet」というボタンをクリックすると
さっきのGoogleシートを開けられるので、
このアプリから色んな作業ができる様に設計しました。
発注作業を6分の1の時間に短縮。
発注作業をお見せします。
発注画面の右で、まず、発注先の業者を選んで、
顧客への配達日の期間を選んで、
上の「Update Order String」ボタンを押します。
その意味は「注文文章の更新」です。(下図参照)
すると「Order String(注文文章)」の欄に
その期間に配達する商品の中で
選択した業者の商品だけの商品名と注文数の書かれた文章を
下のテキストボックスに作成してくれます。
その文章をコピーして、テキストやメールにペーストして、
直ぐに発注ができる様にしたのです。
これにより今までの発注業務の時間を6分の1にできたそうです。
その他の機能として、
下図が「梱包作業画面(Main Packing Slip)」で
商品の梱包作業に使う情報が表示されていて、
作業員がタブレットでこれを見ながら梱包作業をします。
商品画像を直ぐに確認できますので、
新人作業員の教育の時間も短縮できます。
更に梱包した各箱の写真を撮って
クラウド保存するのを作業員に義務付けて、
管理者がその画像をいつでも確認できるので、
これが梱包作業の品質管理となり、
その作業の品質を担保できるのです。
今まで有料のMicrosoft 365を使った業務改善に
二の足を踏んでた方も
10人以下のユーザーであれば無料で今回の様な
システムを作れる時代になったのです。
これだと機能やデザイン面でPowerAppsより劣りますが、
開発時間は短くなるので開発費用も低くできます。
僕の方でそのお手伝いができますので、
ご興味のある方はお問い合わせ下さい。
「こちらの記事も読まれてます。」