初心者用:実験計画法の解析の仕方(分散分析)(実験計画法:後編)【エクセルテンプレート】

エクセルテンプレートで直ぐに実験計画法を実験できます。実験結果をどう計算し解析をするのか、その結果の有効性を判断するのに分散分析をどう使うのかを分かり易く説明しています。

実験計画法の解析の仕方(分散分析)(実験計画法:後編)【エクセルテンプレート】

(動画時間:8:22)

ダウンロード  ←これをクリックして「実験計画法(3因子2水準)」エクセルテンプレートをダウンロード出来ます。

 

前回エクセルで作った実験計画

 

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。

 

前回の記事で実験計画法の基本と実験計画を立てるところまでやりました。⇒「実験計画法とは何か?基本をわかりやすく説明します【エクセルテンプレート】(実験計画法:前編)」

 

今日はその実験を実施してその結果をテンプレートを使って解析をしてみます。

 

実験計画法での実験計画

 

これが前回作った実験計画です。課題は「水を速く沸騰させる方法を見つける」で、品質特性は「水を5分沸かした時の上昇温度」です。そして実験で使う因子と水準が「鍋の材質:ステンレス、鉄」、「加塩の有無」、「蓋の有無」でやってみます。その実験風景を簡単にお見せしましょう。

 

実験計画法の実験を実施する注意点

 

マイク根上の実験風景

 

今自分ちのキッチンにいます。実験の為に用意したのがステンレスの鍋と鉄のフライパンです。本来は因子以外は全く同じ条件にした方が良いので、形も大きさも同じのを使った方が良いですが、僕はこれしかないのでこれを使います。そして沸騰させる水を毎回3カップ使い、塩を加える時は4分の1カップ入れます。

 

印刷した実験計画表

 

上の画像が印刷した実験計画表で、左の列に「実施の順番」とあり、この順番で実施していきます。順番がばらばらなのは、これを無作為化と言ってこれによって時間的、空間的偏りを無くす効果があります。

 

各実験の条件を用意し、沸騰前の温度を測り、5分間水を沸かしたところでまた温度を測って上昇温度を記録していきます。それをここに書いてある8個のパターンでやっていくのです。

 

各因子内の水準間の平均値の変動値の考察

 

今回実験をやってみたんですが、実験をするって本当に大変ですよね。実験計画法で実験回数を減らせるのは本当にありがたかいです。しかし今回は総当たりでやってみました。その結果をテンプレートに入力してデータの解析をします。

 

実験計画法の実験結果入力

 

テンプレートの「第一実験」の列(上図J列)に今回の結果の水の上昇温度を入れました。大変なんで今回は一セットだけでやりましたが、精度を高めるために同じ実験を最大五セットまで入れられます。すると「特性値平均」の列にそれぞれの平均が出てきて、その数値を解析するわけです。

 

実験計画法 結果データ解析

 

次の表に「水準1平均」、「水準2平均」とあり、これは各水準を使った時の結果の値の平均値の計算結果です。例えば「鍋の材質」の水準1はステンレスなので最初の4つの特性値の平均で、71.8です。同じように水準2の鉄では56.3です。

 

つまり水を5分間沸かした時にステンレスの鍋なら平均71.8度上昇して鉄だと56.3度上昇したのです。そしてその差、つまり変動値の絶対値は15.5度です。全ての水準で計算しそれを視覚化したグラフも右に出てきます。

 

そのグラフをぱっと見るとステンレス鍋を使い、塩無しで蓋を使うと沸騰しやすい感じですね。実際にその組合せで一番特性値が高いです。

 

各因子の水準間の変動を見る

 

各因子の水準間の変動(効果)

 

次に「各因子の水準間の変動値の絶対値(効果)」と言う棒グラフが出ています。名前の通り前述の変動値データの絶対値をグラフ化したものです。その絶対値が大きい因子ほど結果に与える影響が大きい、効果が高いと考えられるのです。

 

これを見ると鍋の材質と蓋の有無の効果が高そうですね。先ほどは触れませんでしたが、右側にAxB、AxC、BxCとありますが、これは各因子間の交互作用を表しています。これを見ると交互作用の影響はあまりないですね。

 

これにより「お湯を速く沸かすにはステンレス鍋を使って蓋をすればいいんだ」と言う結論が出ました。「そんなの当たり前じゃん」と言う方もいると思いますが、それを実験から出せた事が重要なのです。

 

分散分析で実験結果の妥当性をみる

 

しかし、品質工学的にはまだその結論が正しいとは言えません。今回たまたまそうなっただけかもしれないと考えるのです。そこで今回の結果が母集団を反映したものなのかどうかを分散分析をして確認をするのです。

 

このテンプレートで分散分析の結果が自動的に出てきます。詳しい分散分析表の解釈の仕方の動画を以前作りましたのでそちらもご覧下さい。⇒「二元配置分散分析表の結果の解釈の仕方 後編:P値の見方」

 

実験計画法における分散分析の結果

 

結論を言うと分散分析ではP値が重要で、一般的にそれが5%以下の因子があればその「水準間に意味のある違いが無い」という帰無仮説を棄却して反対に「水準間に意味のある違いが有る」事が確認出来るのです。

 

しかし残念ながら今回の実験ではどの因子も有意がありませんでした。困った事に、だからと言って全ての因子に効果が無いという結論も出せません。この場合はもう少し実験をしてデータを増やすか、今回P値の低かった因子を他の因子に変更して実験を行うなどすると良いでしょう。

 

エクセルのデータ分析ツールの重回帰分析で回帰式を出す

 

最後におまけでこのテンプレートには重回帰分析で回帰式を求める事も出来ます。今回分散分析で有意が出たとしてやってみましょう。 これはエクセルの「データ分析ツール」を使います。「データ」、「データ分析」そして「回帰分析」を選びます。

 

実験計画法における重回帰分析

 

テンプレート内に見本としての画像を貼ってあります。参考にして下さい。「入力 Y範囲」で目的変数である特性値平均を選択し(範囲I70:I78)、「入力 X 範囲」で説明変数である全ての因子を選び(範囲C70:H78)、「ラベル」にチェックをして「OK」をクリックすると、すぐに重回帰分析の結果が出てきます。

 

実験計画法における重回帰分析の結果

 

分散分析の時と同じデータを使っていますので「P値」(上図E列)は全く同じで有意なものはありませんが、最初の列の「係数」(上図B列)から「水を5分沸かした時の上昇温度」を求める回帰式を作る事が出来ます。(上図内赤字の式)

 

ここで注意が必要なのは分析する時に説明変数でダミー変数の0と1を使っていますので、この回帰式を使う時は各水準に対応する0か1を入力する事です。

 

重回帰分析で使ったダミー変数

 

このダミー変数について話している重回帰分析の記事もあります。そちらもご覧下さい。⇒「重回帰分析をSEOの例題で理解する。【回帰分析シリーズ3】」

 

この実験計画法によって質の良いデータを効率よく集められますのでぜひご自分のビジネスで活用してみて下さい。

 

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