アドホック分析とは?定期定型分析との使い分け方
アドホック分析とはある特定の状況に対して臨時的に短時間でやるデータ分析です。それに対して定期定型分析は業務フローのPDCAサイクル上の「Check」段階で、「Do」段階の結果の分析が定期的に必要になる時に使う分析方法です。
(動画時間:4:35)
アドホック分析とは?
こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。
データ分析を始めるのに二つのやり方が有ります。アドホック分析と定期定型分析です。最初のアドホックとはラテン語で「この為の」や「この状況に対して」という意味で、ある特定の状況に対して臨時的にやる分析です。前準備無く、短時間でやってしまうものです。
例えば、新規大口顧客の話が来たけどかなり値段を叩かれそうだ。十分な利益が出るか調べたい、なんていう時は特別に今回だけやる分析ですのでアドホック分析ですね。
また、あるデータがあって、それをコピぺしたり、数式やグラフを追加したりして、ある特定の課題に対して単発的にやった分析はアドホック分析になります。そう考えると僕たちが普段普通にやっている分析はアドホック分析になりますね。
このアドホック分析のやり方は以前ご紹介したデータ分析の基本と一緒で、必要な最終画面のレイアウトを先ず最初に考え完成させて、そして必要なデータを集めて来るのです。⇒「データ分析の基本は?やっぱりPDCAサイクルなんです。」
アッドホック分析の問題を解決するのは定期定型分析
しかしこのアドホック分析には問題があって、同じ分析をもう一度やりたい時やそれを定期的にやらないといけない時です。同じ様に手作業でやらないといけないので逆にすごく手間になります。この時に定期定型分析でやるのです。
この手法ではあるワークシートで外部からの基データを入れ替えるだけで他の全てのシートが更新される様にするのです。
業務フローでのPDCAサイクルを考えると「Check」段階で、「Do」段階の結果の分析が定期的に必要になります。ですので、出来る限り手間を省きたいですので、定期定型分析にしましょう。
また普段皆さんがやっている作業にもこの概念を適用すると飛躍的に早く正確に行うことが出来ます。これから皆さんが定期定型分析を作る手助けになる動画を作っていきます。
例えば、前回の記事で作成中のオペレーションシステムのユーザーインターフェースの画面を決めました。⇒「データ分析でPDCAサイクルの回し方【事例】」
この画面を毎月更新しますので、定期定型分析にしてその更新作業を出来る限り早く簡単に済ましたいです。
それをどうやるかと言うと、毎日蓄積している基データををコピーし、マスターファイルのあるシートにペーストすると、他のシートは全て更新されます。この時のコツはペーストした基データには全く手をつけずに、その他のシートにエクセル関数又はマクロを使ってその基データから必要な結果を持って来る様にすることです。
エクセル関数とマクロで基データシートを参照する
例えばこのセルにはSUMIFS関数を使い基データのシートを参照しています。
また下の例では各セルには数式が入っていません。ピンクのボタンをクリックするとマクロで基データを参照し、必要な計算をして各セルに結果を出力しています。
このマクロ方式にした方が良い場合はエクセル関数では出来ない複雑な計算が必要な時や、関数の数が多くな過ぎた時です。関数の数が多くなるとエクセルの動作が遅くなったり、ファイルサイズも大きくなり過ぎて困ってきます。マクロを使うとそういう問題を解消出来ます。マクロを使いこなすのはハードルが高いかもしれませんが、ぜひ挑戦して頂きたいです。
アドホック分析にはピボットテーブルが使える
その他にピボットテーブルを使う方法もありますが、ここの目的では僕はお勧めしません。すごく便利なのですが、ピボットテーブルのデザインが決まってしまって全体のデザインがやり難くなるからです。それと、かなりファイルサイズが重くなってしまいます。実はエクセル関数だけでもピボットテーブルと同じ結果を出す事が出来ます。
反対にアドホック分析ではすぐに完成させたいですのでピボットテーブルは大変有効です。
今日はアドホック分析と定期定型分析についての内容でした。
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