ゲージR&R分析のやり方、図解で分かる【エクセルテンプレート】

ゲージR&R分析のやり方と考え方を分かり易い言葉でエクセルテンプレート上で説明しています。GRRの中でも分散分析による方法は一番正確と言われていて、これによりデータの測定方法の「反復性」と「再現性」を測りましょう。

ゲージR&R分析のやり方、世界一簡単に使えるエクセルテンプレート!

(動画時間:6:14)

ダウンロード  ←これをクリックして「ゲージR&R(分散分析による)」テンプレートをダウンロードできます。

 

なぜデータ分析でゲージR&Rなどの測定システム解析が必要か?

 

こんにちは、リーンシグマブラックベルトのマイク根上です。
業務改善コンサルをしています。

 

今回もビュアーさんから動画のリクエストを頂きました。

 

ゲージR&R 動画リクエスト

「カリブレーションについてのビデオを作ってくれないか?」
「測定するゲージのカリブレーションだよ。」

 

カリブレーションとは日本語で較正と言います。
測定器具の読みのズレを調整する事です。

 

データに基づいて科学的に物事を進める事は重要です。
リーンシグマやSPC(統計的工程管理)では特にそうです。
しかしもしそのデータが間違っていたらどうなりますか?

 

そのデータを基にした全ての判断が間違ったものになり、
まず失敗の原因になりますね。
ですから、SPCではデータを正しく取っている事を
担保する事は非常に重要な活動なのです。

 

そこでSPCではMSA、測定システム解析を使います。
これについては以前の動画でも話してます。
⇒「MSA(測定システム解析)とは何?SPCには必須【管理図、ゲージR&R】」

 

ゲージR&R分析の使われ方

 

今日はMSAで一番一般的な手法のゲージR&Rを話します。
すごく難しい話を数式を出さずに分かり易く話します。
エクセルテンプレートも作りましたので、それに沿って説明します。

 

ゲージR&Rを実施すると
皆さんの測定システムの中で測定者に問題があるのか、
測定器具に問題があるのかが分かります。
もし測定器具に問題がある時にカリブレーションをします。

 

カリブレーションの仕方は各器具によって変わってきますし、
業界によっては標準化がされています。
部品製造業の場合にはお客さんからMSA実施の証明を求められ、
その時にゲージR&Rの実施記録を提出したりします。

 

ゲージR&Rテンプレートの使い方

 

ここでテンプレートを見て見ましょう。
⇒「ゲージR&R(分散分析による)」テンプレートをダウンロード

 

そのテンプレートの右側にゲージR&Rの実施手順が書いてあります。
下図がそれです。

 

 ゲージR&Rの実施手順

 

先ず、測定基準を決めます。
通常は3人の測定者が10個の部品を3回ずつ測定しますが、
業界やお客の要求で変ります。

 

測定する部品を選ぶ時に変な話ですが、
バラツキのある部品を選ぶ様にして下さい。
部品にバラツキが無く、ここでの測定値が皆同じだと
解析結果が実際よりも悪く出てしまいます。

 

ここでの目的は良い製品を作る事ではなく、
自分の測定方法の良し悪しを見る事なのです。
また、測定者はいつもその仕事をやっている人にやってもらいます。

 

次に各部品を無作為の順番で測定してもらって、
全ての測定値をここの「サンプリング測定結果」欄に入力していきます。
すると計算結果が下に出ています。
難しい計算はエクセルに任せましょう。下図が入力例です。

 

ゲージR&Rのデータ入力例

 

ゲージR&RのRepeatability「反復性」とReproducibility「再現性」とは?

 

ゲージR&Rの「R&R」はRepeatability「反復性」と
Reproducibility「再現性」の略です。

 

例えば、同じ測定者が同じ測定器で同じ部品を何度も測定したら
本来どれも同じ測定値を得るはずです。
しかし、それが出来なければ、
「反復性」が悪い事になります。

 

そして、ここではそのバラツキ具合の合計に着目するのです。

 

ゲージR&Rの反復性の説明

 

また、別の測定者が同じ部品を測定しても本来同じ測定値を得るはずです。
それが出来なければ「再現性」に問題がある事になります。
その各測定者の平均のバラツキ具合に着目します。

 

ゲージR&Rの再現性の説明

 

ゲージR&Rの分析結果とその解釈の仕方

 

ゲージR&Rの種類がいくつかありますが、
このテンプレートは分散分析を使っています。
一般的にこの方法が一番正確だと言われています。

 

 

上図が分散分析の結果です。
その下にゲージR&Rの結果も出ています。

 

ここでやっている事をすごく大雑把に言うと、
先ほどの反復性のバラツキ具合と再現性のバラツキ具合を足したものを
ゲージR&Rの合計と言いますが、
それと全体のバラツキ具合と比べる事で
測定システムの良し悪しを判断しています。

 

ゲージR&Rの結果の解釈

 

上図の「統計結果の解釈」が一番大事です。
P54の黄色のセルに21.48%と出ています。
全体のバラツキに対して自分の測定システムのバラツキ具合が
21.48%を占めていると言う事です。
手順書にガイドラインを載せていますし、
その下のセルO55にもその結果が出ています。

 

これが10%以下であればご自分の測定システムは許容範囲ですが、
それ以上なら改善しなければいけません。
その場合にセルX43とX44が青くなります。
反復性と再現性を比べるのです。

 

今回の例では反復性のバラツキの方が多いですので、
その下に「測定器のメモリ調整やメンテナンスが必要かもしれません」
とアドバイスをくれています。

 

最後にセルP59のピンクのセルの結果から下にまたアドバイスが出て来ます。
この数字が5以上であれば「今回の分析結果は信頼出来る結果」だったとなり、
4以下であれば、使用した部品のバラツキが不十分だったので
他の部品で分析をやり直して下さい。

 

今日は測定システム解析のゲージR&Rの話でした。
⇒「ゲージR&R(分散分析による)」テンプレートをダウンロード出来ます。

 

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