サイクルタイムとは?その測定と平準化【エクセルツール】
サイクルタイムを短縮したい時にまず現状のサイクルタイムを計りたいです。この記事にある無料エクセルツールを使って下さい。その使い方と計った後の平準化の仕方をわかりやすく説明しています。これでサイクルタイムを短縮しましょう。
(動画時間:4:59)
ダウンロード ←これをクリックして「サイクルタイム計測と平準化ツール」をダウンロードできます。
サイクルタイムとは?
こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。
今日はサイクルタイムの計り方と業務フローの平準化によるサイクルタイムの短縮の仕方の話をします。
まず、サイクルタイムとは製造業でよく使われる言葉ですが、サービス業の改善でももちろん使えます。生産効率を上げたり、作業時間を短縮するのに現状の作業時間を把握するのは不可欠です。
各作業段階で部品一個作る時間や単位作業当たりの時間をサイクルタイムと言います。それを計った後どうするのでしょうか?それが平準化です!まぁ、先ずサイクルタイムを計ってみましょう。
サイクルタイム計測ツールをダウンロード
次のリンクをクリックして、サイクルタイム計測エクセルツールをダウンロード出来ます。⇒「サイクルタイム計測と平準化ツール」をダウンロード。
12/22/2018 改訂:このダウンロードファイルは改良版です。この動画で出る画面と多少違います。詳しくは最近の記事をご覧下さい。
ファイルを開いた後、マクロを有効にするために「編集を有効にする」と「マクロを有効にする」のボタンを続けて押して下さい。
このファイルの長所は「次へ」のボタン(セルD34:下図参照)をクリックしていくだけで、その間隔時間が自動で記録されて行く事です。待ち時間等を除いた実作業時間だけを計測して下さい。
サイクルタイム計測の仕方
シートの右側に手順が書いてありますので、それに沿って行って下さい。
1)このエクセルファイルをエクセルの入ったタブレットかラップトップに保存します。
2)対象業務フローの各ステップ名をピンクのセル(H25:P25)に入力していきます。ここでは単純にA1からA5にします。
3)もしステップの数や計測回数を増やす必要があれば、セルB17やセルC17をクリックして増やせます。
4)次に二つの計測手順を用意しました。「全ステップを続けて計測」か「単一ステップを繰返し計測」のどちらかを選択します(セルB20)。ご自分の現場で、計り易い方を選んで下さい。ここでは「単一ステップを繰返し計測」にします。
5)今までは各ステップの作業時間だけを記録出来ました。しかし、各ステップの作業を完了した時間を記録したいというご要望も頂いてました。そこでセルB23で「作業時間」か、「完了時間」かどちらの記録の書式かを選べます。「完了時間」を選ぶと、完了時間を記録出来ます。
6)何個の部品作成または作業をするのを計測するのかをセルB26に入力します。全ステップで毎回同じこの個数を作業する作業時間を計測して下さい。これで準備は完了です。いよいよ計測開始です。
青いセル上で計測を始めるステップの列をその作業が開始した時にダブルクリックして下さい。その作業が終了したら黄色のセルの「次へ」(セルD34)をクリックして下さい。その作業時間が記録されます。手順3で「単一ステップを繰返し計測」を選択していますので、同じ作業を計測します。
またその作業が終了したら同じ「次へ」ボタンをダブルクリックします。すると、その作業時間がさっきの一つ下に表示します。
サイクルタイム短縮を目指した平準化の仕方
これを全てのステップでやったのが下図です。上のグラフの横軸が各ステップの作業員で縦軸が作業時間を表します。グラフ内の折れ線グラフでは青線が各ステップの最大値、赤線が平均値、そして灰色線が最小値になります。
オレンジの棒グラフが一番重要で、各ステップの全計測値のバラツキを表す標準偏差になります。要はこの棒グラフが一番長いステップが一番作業のバラツキがあるのが分かるのです。
ここで平準化の登場です。ポイントは二つあります。
ボトルネックを無くす
一つは各ステップの平均値、赤い折れ線ブラフはほぼ同じであるべきなのです。そうでないときは、一番平均値が高いステップがボトルネックとなっています。
表内では全ステップの平均値より高い数値がピンク色で出ています。ここで流れ作業が停滞し、他のステップでの待ち時間や部品在庫過多の原因になります。
最大の問題はこのボトルネックの生産性が全体の生産性になる事です。このボトルネックのステップの作業時間短縮は急務です。ですが、改善効果は絶大です。
その方法としてはそのステップの作業方法を改善したり、人や設備を増やしたり、または作業の一部を他のステップに移すことです。
この時の注意点はこのボトルネックが解消しても、新たなボトルネックを作らないことです。全体最適化をいつも念頭に入れて下さい。
バラツキを無くす
もう一つのこの折れ線グラフを見るポイントは、最大値と最小値の間隔が出来る限り狭くなるべきなのです。そうで無ければバラツキが大きいということです。オレンジ色の棒グラフは各データ群の標準偏差です。これでバラツキ具合が一目で分かります。
表上でピンクのハイライトのセルが間隔の広いステップなので、その作業手順を見直して作業時間のバラツキの原因を取り除きましょう。
ボトルネックの解消やバラツキを無くす事がまさに平準化なのです。このテンプレートを使って正確なサイクルタイムを測定して、平準化を実現して、ぜひサイクルタイムの短縮を実現して下さい。
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