業務改善と標準化を同時に実現:MS 365業務システム開発

WBSをスケジュール管理に使うやり方

    
\ この記事を共有 /
WBSをスケジュール管理に使うやり方

WBS(Work Breakdown Structure)はいろんな用途がありますが、スケジュール管理への活用に絞って書いてます。WBSは作業分解図と言いプロジェクトの目的/目標をチーム員が実施する作業まで分解していく手法です。

(動画時間:3:53)

ダウンロード ←これをクリックして「WBS: 作業分解図」のテンプレートをダウンロードできます。

WBS(作業分解図)の基本

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。業務改善コンサルをしています。

プロジェクトの初期にプロジェクト憲章を書いてこれからやるプロジェクトを定義します。このプロジェクトをなぜするのか?そして何をするのか?いつやるのか?誰がやるのか?を書くわけですが、次にどの様に実施するのかが欲しいですね。それがプロジェクト計画でありプロジェクトスケジュールです。

PMPではそのテンプレートがありますが、凄く複雑です。僕はその代わりに作業分解図を使います。英語でWork Breakdown Structure と言って皆WBSと呼んでいます。

プロジェクトの目的目標があってもまだ漠然としていて、実際にチーム員が何をやって行くのかわからないですよね。それを少しずつ分解して行き、彼らの作業単位まで掘り下げて行く手法がこの作業分解図です。

下の図を見て下さい。WBSはこの様に階層的で幹が上で枝葉が下になっている逆樹形になっているのが一般的です。この作業分解図の概念は色んなところで使えるのですが、今日はプロジェクトのスケジュール作成に絞って話をしたいと思います。

通常のWBSの形

WBS作成前の2つの確認事項

まず始める前に確認したいことが2つあります。プロジェクト憲章が完成していて、出来ればこのプロジェクトの実施承認されていてほしいですね。作業分解図が完成しても、後で目的目標はそれじゃないと言われるとまたやり直しになります。

2つ目がプロジェクトの要求事項が明確化していることです。ある程度の規模のプロジェクトであれば、作業指示書を顧客と話をして作成されていると思います。そうでない時でもプロジェクトに対する要求事項はどんな小さなことでも頭に入れた上でこの作業をして下さい。

WBS(作業分解図)の大まかな作成手順

1.プロジェクトのマイルストーンを書き出す

では作業分解図の話に入りましょう。プロジェクトの目的目標と要求事項をふまえた上でプロジェクト開始から完了までの節目点を書き出します。英語でマイルストーンと言います。

これは目安ですが、1、2ヶ月のプロジェクトであればマイルストーンは5個位、長期であっても10個以内に収めたいですね。マイルストーンごとにプロジェクトを管理することになります。

2.各マイルストーンの成果物を書き出す

次に各マイルストーンで何を作り上げておかねばならないか、PMPでは成果物と呼んでいますが、それを書き出します。成果物は必要であればいくつでも書き出して下さい。例を言うと、マイルストーンが「現状分析をする」だとすると、成果物として「現状のプロセスマップ」「商品売上ランキング表」「顧客売上ランキング表」などになります。

3.各成果物ごとにタスクを書き出す

そして各成果物ごとにそれを完成するのに必要な作業、つまりタスクを時系列で書き出します。ここでいつも議論になるのがどれくらい細かいタスクまで書くかです。結論から言うと「確実に実行するタスクまで」を目安にすると良いでしょう。細かくなりすぎると単純に書くのが面倒だし、管理が煩雑になります。より将来のマイルストーンになると今の時点ではタスクが分からなかったり、成果物も分からない時もあります。

WBSスケジュール管理に使う

この作業分解図は今後プロジェクトの進捗管理にも使い、常に更新していくので最初の時点では分からない部分は今は空欄で、PDCAを回して行く上で将来必ず書き込んで下さい。

まとめると下の図の様に作業分解図はマイルストーン、成果物そしてタスクを階層的に組合した図になります。そこに担当者や完了予定日を加えると進捗管理にも使えます。

一般的なWBSの形

今日はここまでですが、次回はエクセルの作業分解図のテンプレート上で実習をします。そのテンプレートもダウンロードできます。⇒「WBSテンプレート:作業分解図の書き方、【エクセルテンプレート】」

「こちらの記事も読まれてます