ヒューマンエラーの対策の仕方

ポカヨケが通用しないヒューマンエラーの対策の仕方の記事です。人の行動は常に’認知’、’判断’そして’行動’というプロセスを通ります。その各段階でヒューマンエラーの主な原因と対策例を紹介し、解決手順を説明しています。

 

ヒューマンエラーの対策の仕方

(動画時間:7:14)

 

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ポカヨケが通用しないヒューマンエラー

 

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。

 

今回も動画リクエストを頂きました。

 

ヒューマンエラー動画リクエスト

「プロダクションでのヒューマンエラー防止の動画を作ってくれないか。」

 

Sekhar、リクエストありがとう。日本の皆さんも動画のリクエストがあれば、コメント欄で教えて下さい。以前ポカヨケの動画を作りました。彼もその動画を見てからこのリクエストをくれました。

 

その動画で言っている手順でポカヨケでヒューマンエラーの無い職場を作りたいです。しかし残念ながら全ての業務でポカヨケを設置出来ません。特にサービス業務ではそうです。今日はポカヨケで解決出来ないヒューマンエラーを減らす方法を一緒に考えましょう。

 

人間の行いの習性論(アメとムチ)

 

ヒューマンエラーとは文字通り人間が原因のエラーです。ここで最初の問題は「それはヒューマンエラーだからしょうがないよね。」という事で終わってしまう事です。これだと思考が停止し、次の行動が起きません。

 

まず、この表を見て下さい。

 

 

人間良い行い、例えば決めたルールを守る等、をしても会社や上司から何も言われなければその良い行いをいずれ止めます。また、悪い行い、例えばルールを破る、をしても会社や上司に何も言われなければその悪い行いを続けます。残念ながらこれが現実です。逆に良い行いを承認してあげるとその良い行いを続けますし、悪い行いに注意する事で止める事が出来ます。

 

いずれの場合も会社は従業員の行動を良く見てその結果によって注意するなり褒めてあげる事が重要なのです。ですから従業員の行いは管理者の問題なのです。

 

解決の要はアメとムチなのです。それをするタイミングも大事で早ければ早いほど良いです。これはPDCAサイクルでもあります。これによって必ず意欲の向上に繋がります。

 

人の行動プロセスとエラーの原因

 

次に作業員の行動のプロセスからエラーの原因を考えましょう(下図参照)。全ての人は「認知」し、「判断」し、そして「行動」します。この三つのどの段階でもエラーの原因が隠れています。もう一つの側面は作業員の状態によっても解決策が変ってきます。それは「スキル不足」「過失」そして「故意」です。「スキル不足」や「過失」は初心者や未熟練者に当てはまりますね。「故意」に行くほど熟練者のエラーになります。

 

人の行動プロセスとエラーの原因

 

最初に状況を「認知」します。この段階で見落としや、見間違い、聞き間違いがエラーの原因になります(上図参照)。

 

その次に認知した状況によって次の行動を「判断」します。状況を理解出来なかったり、上手く判断出来ない、また誤って判断したり、慣れからくる思い込みがエラーの原因になります。

 

そして最後が「行動」となります。問題なく行動出来れば良いのですが、やり忘れや、やり間違いまたは行動や質が不十分であったりしてエラーが発生します。また熟練者になると故意で手抜きやプロセスの近道をしたり、違反行為をしたりしてエラーが発生します。これには前述のアメとムチが必須です。ボーナスや罰金制度を取り入れる事も考えて下さい。

 

ヒューマンエラーの対策の仕方

 

ヒューマンエラーのバックグランドが分かりました。それでは具体的に何をしたら良いのでしょうか?先ずご自分の業務フローで最近発生したヒューマンエラーが先ほどの表内でどこに該当するかを考えて下さい。セクション毎の当てはめたエラー数を数えたら良いです。一番数が多いものがVital Fewとなり優先して解決策を考えましょう。原因が同じなら大抵は同じ解決策が使えます。

 

ヒューマンエラー対策の3つの質問

 

なぜ発生したかを考えていますが、同時になぜ防止できなかったか、更にどうやって再発防止が出来るかも一緒に考えて下さい。先ほどの表の中の各エラー原因の対策を考えていきましょう。

 

「認知」段階の対策

 

認知段階での対策

 

最初の「認知」ですが、作業員の立場になって認知し易い状況になっているかを必ず確認して下さい。もっと文字を見易く出来ないか、記号や図形、または色を使ったらもっと楽に認知が出来るかもしれません。聞くだけの状態から文章での伝達に変えられないかなどです。

 

複数表示とは例えばこの様に商品番号などを二つ並べて表示して、二つ目を確認用にして、思い込みを減らすことが出来ます。復唱とは、例えば電話でお客さんの注文を聞く時にお客の注文品と数量を復唱する事で間違いがあればお客が訂正してもらうようにするのです。

 

「判断」段階の対策

 

判断段階での対策

 

次の「判断」ではどうしましょうか?熟練者を集めて一番簡単に正確なやり方を聞き、ベストプラクティスを確立し、それを社内全体で標準化するのです。便利なツールなどがあれば、それを標準の中に入れて皆がそれを使えるようにしましょう。SOPやマニュアルを作成しそれを使って教育の徹底を図るのです。

 

日々の作業で設定や工程の変更は良くあることです。それらの変更の情報を知らないで間違った判断を下す事はよくあります。
情報伝達ルートを明確にして作業員に必要な各情報を渡すのは誰なのか、責任の所在を明確にするのです。僕の会社では全支店で朝礼の実施を義務付けて、朝礼の仕方のテンプレートがあるほどです。製造業では壁にポスターや生産進捗ボードを設置し上手く活用して情報伝達に使っています。

 

「行動」段階の対策

 

行動段階での対策

 

最後の「行動」ですが、今日の議題はポカヨケが効かない時の対処法ですが、やっぱりポカヨケの「間違った行動が出来ない状態を作る」や「間違いが起こりそうになったら作業者に知らせる」仕組を出来るだけ設置したいところです。

 

その他にTo-Doリストを作成し、作業者はそれに沿って作業をしてもらうのも一つの手です。また、作業場環境は作業の結果に大きく影響します。作業場の整理整頓はもちろん、ムリ、ムラ、ムダの無い状態を作ってあげて下さい。

 

最後に「ヒヤリ・ハットの共有」です。「ヒヤリ・ハット」とは仕事中の「ヒヤリとした事や、はっとする出来事」です。つまり、実際のエラーとなる一歩手前の出来事です。このヒヤリ・ハットにより多く意識を向けることで実際のエラーの予防になります。僕の会社でも管理者に毎月このヒヤリ・ハットの報告を義務付けていて成果を出しています。

 

ヒューマンエラーの原因も解決策も様々で今回で全てを網羅出来ませんが、一番大事なのはそれをほっとかずに全管理者や従業員がエラーを無くそうとする組織風土を醸成する事です。無関心が一番良くないです。

 

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