【5S事例】農業でトヨタの5S?「リーン農場」本レビュー (“The Lean Farm” by Ben Hartman)

最近リーン方式(トヨタ生産方式)が農業の分野でよく使われています。その中の5Sをどう農業で実践するかを実際に成功した方の著書から学んで見ましょう。この本には5Sの整理、整頓、清掃、清潔、躾の各ステップを実体験での解決策が満載です。

 

【5S事例】農業でトヨタの5S?「リーン農場」本レビュー ("The Lean Farm" by Ben Hartman)

(動画時間:6:24)

 

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<<Ben Hartmanの最新著書: The Lean Farm Guide to Growing Vegetables>>

 

リーン方式(トヨタ生産方式)の農業分野での活用

 

こんにちは、リーンシグマ、ブラックベルトのマイク根上です。

 

最近農場を経営されているビューアさんとやり取りをしました。これを機会にちょっと調べたら、リーンシグマやトヨタ生産方式がかなりこの分野で使われている事を知りました。

 

Toyota Farming Operation Service

 

そもそも本家のトヨタが日本でスマホで使える農業用のアプリと運用システムを開発して本格的にコンサルティング活動をやっています。

 

米国では若い人達が農地を買い取ってリーン方式で生産量を上げてビジネスにしている人達が増えています。ちなみに英語圏ではトヨタ生産方式の事をリーン方式と呼んでいます。その中の一人インディアナ州在住のベン・ハートマンさんが普通の農場をリーン方式で無駄を減らし、生産量を増やした体験談を綴った本を出版しました。早速買って今読んでいます。

 

「リーン農場」 (“The Lean Farm” by Ben Hartman)

 

The Lean Farm Book Cover

The Lean Farm by Ben Hartman at Chelsea Green Publishing
A practical, systems-based approach for a more sustainable farming operation To many people today, using the words "factory" and "farm" in the same sentence is ...

 

この本のタイトルはズバリ「リーン農場」です。副題が「少ない労力で無駄を最小限にし、効率を上げ、価値と利益を最大にする方法」となっています。製造業の世界ではありふれた言い回しですが、この本のテーマではすごく魅力的に感じますね。

 

全てが著者の体験談ですので実践的で説得力があります。また彼もリーン方式をかなり勉強されてて、その概念の説明や大野耐一さんなどの引用も多く出てきますので、農業以外の方が読んでもすごく勉強になる本です。

 

この本の第1章のテーマが何か注目してましたが5Sでした。最初に5Sが出てきている事は示唆に富んでいて、どんな業界の会社でも、リーン方式やリーンシグマをやる時に先ず5Sが出来ている事が重要だという事です。職場が整理整頓出来ていないと撃退したい無駄が隠れてしまうし、従業員の士気も下がってしまうのです。ちなみに5Sの基本についての動画があります。まだの方は下のリンクをクリックして見てみて下さい。

 

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農場での5Sの実践方法

 

広い農場で整理整頓を保つのは大変なのが簡単に想像出来ますね。今日はこの5Sの各ステップを農場でどうやったかをご紹介します。

 

1)「整理」:要るものと捨てるものを分ける

 

5Sの最初のステップは「整理」です。 彼の言葉を借りると

 

「生産現場で絶対的に必要な物以外は無慈悲に除外する事」と言っています。

𝒑𝒈 21 ‘𝑻𝒉𝒆 𝑳𝒆𝒂𝒏 𝑭𝒂𝒓𝒎’ 𝒃𝒚 𝑩𝒆𝒏 𝑯𝒂𝒓𝒕𝒎𝒂𝒏

 

農場ですと場所は有りますので古い不要物がいつまでも置いてあるそうです。それを全て処分するのに専門のスタッフを置いて何週間も掛かったそうです。キープする物と捨てる物を選別するのに赤札作戦をします。それぞれの物に次の質問をしていきます。

 

1)「これは本当に必要な物か?」

2)「もしそうならこれだけの数は必要なのか?」

3)「もしそうならこの場所に置いておく必要があるのか?」

𝒑𝒈 21 ‘𝑻𝒉𝒆 𝑳𝒆𝒂𝒏 𝑭𝒂𝒓𝒎’ 𝒃𝒚 𝑩𝒆𝒏 𝑯𝒂𝒓𝒕𝒎𝒂𝒏

 

これらの質問によって、すぐ捨てる、数を減らす、又はもっと適切な場所に移動させるわけです。そこでやっぱり、すぐ使わないんだけれど捨てれない物が出てきます。それらを全て「赤札ルーム」を作ってそこに入れときます。春と秋にオークションがあるので残った物は全てオークションに出す決まりにしたという事です。完璧ですね。

 

2)「整頓」:全ての物の保管場所を決める

 

次が「整頓」で、全ての物の保管場所を決めるのです。著者の彼の基準は「10才の子にその道具を取りに行かせて簡単に見つかる事」だそうです。これを達成するのに全ての道具を道具箱から出して、壁にフックや磁石をつけて全て吊るしたそうです。

 

5S「整頓」の前と後の写真

 

また、今までは上図左の写真のように一箇所に全ての道具を保管してて、そこまで行く時間を無駄にしてました。今は右の写真のように各作業場所にそこで使う道具を必要な量だけ配置しています。

 

3)「清掃」:汚れを全て取る

 

次が「清掃」で、汚れを全て取るのです。これはかなり大変だったみたいです。

 

5S「清掃」の前と後の写真

 

上図左の写真が5S前で、そもそも机や壁が木製だったら磨けないですよね。右が5S後の写真で、壁をペンキで塗ったり、ステンレス製の備品を入れて清掃をし易い様にしています。また良い照明を入れるのが大事です。彼はこう言っています:

 

「場所が綺麗になれば、作業員はそれを保とうと努力し出します。」

𝒑𝒈 26 ‘𝑻𝒉𝒆 𝑳𝒆𝒂𝒏 𝑭𝒂𝒓𝒎’ 𝒃𝒚 𝑩𝒆𝒏 𝑯𝒂𝒓𝒕𝒎𝒂𝒏

 

まぁ、汚いともっと汚くなると言う事ですね。

 

4)「清潔」:最初の3Sがいつも同じ様に実行される(標準化)

 

次が「清潔」です。最初の「整理」、「整頓」、「清掃」がいつも同じ様に実行され、きれいな状態を保とうという気持ちにさせる事です。最初はチェックリストを使ってこれを達成させようとしたけど上手くいかなかったそうです。 そこで各作業場所で綺麗な状態の写真を撮ってそれを見本として下の写真の様に簡単な説明文と一緒に壁に貼りました。これですとどうしなくちゃいけないか一目で分かり効果的です。

 

5S「清潔」で使うポスター

 

5)「躾」:継続して維持される仕組みを作る

 

最後が「躾」です。一回綺麗になって標準を作ったら、それが継続して維持される仕組みを作るのです。片付け、掃除を毎日の仕事の一部にする事が大事だと著者は言っています。作業員に指示書を渡す時に必ずどこを掃除をするのかも入れます。この時に壁に貼った写真が活きてきます。毎日やる事で汚れが大きくなる前に綺麗にするのです。

 

僕は第1章を読み終わった時点でもう感動しちゃいました。この著者のチームが5Sを農場でこれほど上手くこなしていますので、その後の章が楽しみです。おそらくまたレビューの動画を作る事になるでしょう。

 

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